「ボケ」と「思い出し」/イシグロ『わたしを離さないで』/円楽引退日本海覚醒剤
Posted at 06/05/15 PermaLink» Tweet
ここのところ、いろいろなこと、特にあまり論理的でも実際的でもないこと、おおむねかこの自分の記憶に関わることをいろいろな形で思い出したりそれを鑑賞したり考えたりしている時間が多くなっていて、前日のことを振り返ってもいったい何をやったのかよく思い出せないことが沢山ある。それはもちろん必要があってそういう「思い出し」をやっているのだが、これをやっていると現実感覚がなくなってくるというのも事実で、いわゆる「ボケ」というのもこれに類似した現象なのではないかという気がした。まあもともと私自身空想癖のある子どもで必要なときに現実に戻って来れないこともよくあったのでそういう意味での子どもがえりみたいな部分もあるのだろう。
30代後半くらいに何かの分水嶺みたいなものがあって、その時期から子ども時代の記憶などが急速に薄れた気がする。特に中学や高校のころの記憶など、相当程度に忘れていて、先日中学の同級生からいきなり同級会の誘いの電話がかかってきたあといろいろ思い出しているのだがほとんど雲がかかったような状態であることが多い。思い出してみれば中3の秋に中学校の校舎が全焼したり、印象に強く残っていることはあるのだが、思い出すまで忘れていたというのもちょっと驚きだ。ついでに20代のころの記憶をたどってもああそういえばそういうことがあったなということが非常に沢山あっていったい自分は記憶というものがあるのかと思うが、30代後半までは脳内活動の中で記憶の占めているスペースがかなり大きく、また活発に動いていた気がするが、今では現実活動の部分が圧倒的に強く、記憶スペースは縮小傾向が強いのかなという気がする。そういうのって人によって違うんだろう。
それはともかく、昨日は昼前にちょっと回転の悪い頭を動かすために銀座に出かける。銀座で降りて歩行者天国を歩いて教文館で本を物色。結局気になっていたカズオ・イシグロ『わたしを離さないで』(早川書房、2006)を購入。やはりリアルタイムの文芸書も読まなければだめだという気がちょっと強くなってきたからなのだが、だからといってミステリーとかはまだ読む気になれない。読んでみると、まあイシグロは全部そうだといえばそれまでだが、過去の記憶の話。しかし特に「学生(?)」時代の記憶がたくさん語られていて、なんだかいま自分がやっていることとシンクロしていて奇妙な感じだ。しかし、イシグロの作中人物は自分との距離がとても測りやすい感じがするが、この話はかなり自分に近いところにある話だという気がする。まだ読み始めたばかりだが。
大道でベースとギターのコラボをやってるのを見たりしながら日本橋まで歩き、コレドの地下で食品を買い、茅場町まで歩いたら昭和通との角のところにいろいろ新しい店が出来ていてそういえば暫くこのあたりを歩いていないなあと思った。どんどん変わって行く。
午後は思いついたことを少し書き付けたり、読み返して沈思黙考したり、の繰り返し。今書いていることも行方がさっぱりつかめない。いったいどんな文章になるのか。
「笑点」から円楽が引退、その企画でいろいろなことをやっていた。春風亭昇太が新メンバーに加わるという。ネットでいろいろ調べていたら当初の座布団運びは毒蝮三太夫だった(石井伊吉という名で)とか、落語家の協会は落語協会と落語芸術協会があるとか、(そのほかに円楽党と立川流がある)なんか結構いろいろややこしいことがあるということを知る。春風亭だから昇太は小朝と兄弟弟子かと思えば従兄弟かはとこ弟子くらいの関係だったり、いろいろあるんだなあと思う。相撲は稀勢の里が雅山に負けて残念。野球はジャイアンツがライオンズに3連敗。中継が終わったあとネットでリアルタイム速報というのをジャイアンツのサイトで見ていたが、あまりにとろくて途中で飽きてしまった。
境港を拠点にした韓国人と北朝鮮と暴力団のコラボレーションによる覚醒剤密輸事件。そういえば逮捕された創価学会名誉会長の元通訳の夫はサザンの元メンバーらしく、桑田氏がラジオで事情を説明した、というのをネットのあちこちで読んだ。
日本が日本であり続けること。最も困難だが、それを疎かにしていてはいずれ何もかも水の泡になってしまうときが来るのだろうと思う。何が日本なのか、ということがひとつの倫理規準として考え、行為すべきときがきているのではないかという気がする。
今日は久しぶりに晴れている。夜中にたくさんの消防車とパトカーの音がしたが、よくわからないが向かいの団地でぼやでもあったのではないかという気配。あとで散歩に出かけたついでにちょっと見てみよう。五月の晴れは嬉しいが、最近はなぜかそれが貴重だ。
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