「民主党小沢祭り」と格闘技系アナクロ路線

Posted at 06/04/08 Trackback(1)»

私は全然関心を失っていたのだが、民主党代表選があり、小沢一郎が勝った。仕事をしていたら同僚がいきなり「小沢だ」といったので何事かと思ったらそういうことで、そういうことに関心があって大ニュースだという顔でいう人がいるということ自体に驚いた。

仕事を終え夜帰京。昨日は仕事前はずっと『アイヴァンホー』を読んでいて結局一気に読了したのでその事も書きたいのだが、ちょっと疲れているのであとに回す。民主党代表選についてちょっと思いついたことがあるのでそれだけ書こうと思う。

今日土曜日、疲れていてなんとなくテレビのチャンネルをひねくりながらいろいろな番組を見ていたのだが、どこも見事に民主党の代表選。そんなに面白い話なのかなと思いながらついて行けねえなあと思っていたのだが、どうやらポイントは強面の小沢が民主党代表になり、ワンポイントショッキング政治で政権を5年間維持している小泉首相に長ドスを突きつけるのではないか、というようなことらしい。テレビに出てくる人出てくる人、皆さん口をそろえて「小沢は変わった、小沢は変わった」という。何が変わったかと思えば笑顔を見せたとか熱意を感じたとか報道にリップサービスをしたとかお正月のようにおめでたい話題ばかり。小沢の豪腕に笑顔の羽が生えてこりゃ小泉に一矢報いられるぞと鬼の首を取ったように浮かれているという感じである。

豪腕小沢がついにリングに上がった、ウラー!民主党小沢祭りだぁー!ドスこぉーい!…というような感じに見える。格闘技系の盛り上がりとでも言うか。小泉首相の方は「人間そう簡単に変われませんからね。フッフッフ」ともうきわめて余裕発言。まさにモダニスト小泉にアナクロニズム小沢が挑戦するという感じだが、小泉首相はリングに上がる気さえないだろうという感じである。

まあ全身アナクロという感じの小沢が出てきたのは、モダニスト小泉に対抗するのに、もっとモダンな若手の岡田や前原を出してきたが結局モダンというより薄っぺらに過ぎなかったので惨敗し、黄門様渡部が案外ウケがよかったのでどんじりに控えていた最終兵器小沢がとうとう完全武装で立ち上がったということだろう。最終兵器というより冷戦時代の遺物という感も無きにしも非ずであるが。

でコメンテーターが盛んに煽っているのは、「重厚な小沢」に対抗するためには自民党も重厚な総裁を選ばなければだめだ、ということで、テレビコメンテーターとその背後にいる勢力は要するに安倍を不適任とし「重厚な福田」を盛り立てようとしているのだと思う。

別に民主党がアナクロ路線に走ったからといって自民党もそうする必要は全然ないわけで、小泉以上にさらりとした方向性でいけばいいだけの話である。政治評論家など政治にかかわりを持つ人は「アナクロ好み」が多いのでそういう人たちで盛り上がっているようだけど、「うす甘いサヨク」の国民はそっちのほうには行かないんじゃないかなどう考えても。モダニスト小泉はその辺のツボの突き方が絶妙である。国民は「プリンス」を選択するだろう、普通に考えれば。

結局外国から賓客が、たとえばトム・ハンクスが来たときに(視聴者に)好印象を残せるかどうかとか、そういうことが権力維持のためには結構重要なことで、日本の政治家で小泉首相以上にそういうことが上手な人はなかなかいないだろう。政治家は国民を楽しませるということも重要な手腕なのだ、このパンとサーカスの時代にあっては。


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