上海総領事館員の殉職/子どもをひき逃げした女性米兵の釈放/2005年の教訓
Posted at 05/12/29 PermaLink» Tweet
さて年の瀬も迫ってきた。報道関係も年末年始の特編が多くなり、いつもと同じペースではものが進まない感じである。この時間はいつもはFMでクラッシックを聞いているのだが、何か朗読をやっている。確認のためにトランジスタラジオをつけようとしたらスイッチが壊れていた。先ほどコートにブラシをかけたときに間違って落としてしまったからだろう。直さなくては。
年の瀬になると最近はえっと思うようなニュースが飛び込んでくる。上海総領事館員の殉職も、尖閣諸島がらみの情報を取ろうとした中国側工作員の脅迫によるものらしい。外交の現場の厳しい情報戦が思いやられるが、中国側の荒っぽさもまた目に付く。『こういうやり方をする国』という印象が、中国を友好的とみなさない国民を増やすのは当然である。日本国内でせっせと日本を悪し様に言うことに精励している人々と、機密を守るために命を投げ出した人と。人間にはいろいろいるものだと思う。
八王子で子ども三人をはね、重軽傷を負わせて逃走した女性米兵が日米地位協定に基づいて釈放されたという。改めて日米関係の不平等性を思い知らされる。
こうした事件を見聞きすると、日本が米中露という超大国に取り囲まれた難しいポジションにあるということを改めて思い知らされる。明治の先人たちが一念発起して日本の独立を守りつづけたことがいかに大変なことだったかということも。日本は中国と戦い、ロシアと戦って勝利して、再度中国と戦って勝てないうちにアメリカと戦って負けた。「アジア」という「弱者」に対する行き過ぎばかりがクローズアップされるが、周辺超大国と言う「超強者」との戦いが本当は日本の近代史だったのだ、ということは押さえておくべき事である。昔も今も日本の置かれたポジションは変わらない。冷戦構造の崩壊後は日本周辺は再び古典的なバランスオブパワーの状態に入っている。そのもっとも弱い輪の一つが日本であるならば、どこの国も日本に攻勢をかけてくるのはある意味当然のことになる。
そうした国際社会の現実を見失わないようにすることが、2005年の教訓だろう。
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