日本手に入る今日のよろこび

Posted at 05/12/05 Trackback(1)»

昨日はずっと不調。外の天気も荒れ模様だったということもあるが、一日ほとんど全く外出しなかった。おかげでだいぶすっきりしてきたが、調子の悪いところがはっきりしてきたという部分もある。呼吸器系の調子は悪いのだが、頭の中のもやもや感がだいぶすっきりしてきた。一日だらだらすることでだいぶましになったかなとは思う。しかしこれから冬に向かう中で、この体調はいまいちだ。

なんとなく早明ラグビーを見ていたがあまりの実力差にだんだん見る気が失せ、ネットを立ち上げるとNHK杯で織田が優勝したとの記事。驚いてNHKのサイトの番組表を確かめると夕方5時から再放送がある(生中継はBSだけだったようだ)とのことでそれを見る。アメリカ人のエヴァン・ライザチェクのすべりが素晴らしかった。次に出てきた本田は最悪の調子。長いあいだ男子フィギュアは本田の時代だったのだが、もうそれは終わりつつあるのだなと実感。24歳で自分の時代が終わるスポーツというのも、思えば過酷な種目である。

次は高橋。彼の滑りはステップが見せ場ということで確かにほかの追随を許さないテクニックを披露していたが、最初のジャンプで失敗してその失敗が少々あとを引いてしまったようだ。ショートプログラムで1位だったのに結局3位。得点的にフリーの比重が高いし演技時間も長いので、SPでトップに立つと返ってプレッシャーが強くなってしまうのかもしれない。

最後に織田信成。曲は座頭市。織田も最初のトリプルアクセルに失敗しそのあとのコンビネーションジャンプが出来なかったが、そのあとの本来は単独のジャンプのときにコンビネーションを入れるなどずいぶん工夫して挽回し、やはり印象的にも一番よかったのではないかと思う。フリーの得点はライザチェクに譲ったが、見事な総合優勝。本人はトリプルアクセルの失敗を気にしていたようだが、思いがけない高得点が出て優勝が決まると阪神タイガースのタオルを手に号泣。あたりはばかるところのない子どものような感情表現はまさに戦国武将の末裔というか、素戔鳴尊の号泣というか、そんなものを思わせた。なんだかこっちももらい泣きさせられた。

夜はエキジビジョンを少し見たが、中野友加里の演技も衣裳もともに素晴らしかったし、アイスダンスのカナダのペアが「雨に歌えば」の曲に合わせて傘を小道具に使いミュージカルの雰囲気を出していたのも素晴らしかった。織田はパジャマを衣裳にルースターという曲で演技。やはりこの明るさは持ち味だ。

織田信成は信長の子孫として知られているが、ちょっと調べたところ信長の七男信高の子孫だということである。江戸時代に近世大名家として残ったのは信長の次男・信雄や信長の弟・有楽斎(その屋敷地にちなんで有楽町という名が生まれた)の系統の数家があるが、信高は年齢的に出遅れたということなのか、近世は万石をもらえず旗本となり、後にその系統は高家に列せられた、ということである。近世に大名でなかったということは近代になってからも華族として受爵していないということだから、華族の織田一族からもあまり認知されていなかったようだ。

しかし、そうはいっても信長の子孫。NHK杯制覇を実力でもぎ取ったのは先祖の力ではない。まさに自分の力だけでの仕上がった織田信長を髣髴とさせるものである。あの誰はばかるところのない号泣を見て、「日本手に入る今日のよろこび」だな、と思った。

初めて上洛を果たした信長のもとに多くの有力者が挨拶にやってくる中、連歌師の紹巴が扇子を二本、三方に載せていれて献上し、「二本手に入る今日の悦び」と詠んだ、というあのエピソードである。信長はすかさず「舞い遊ぶ千代万世の扇にて」と詠み返したと小瀬甫庵の『信長記』にはある。

まあフィギュアスケートを見ながらそんなことを考えられるというのも楽しいもので、ぜひこれからも織田選手には頑張ってもらいたいと思う。

朝起きるとよく晴れている。実家から林檎が届いた。甘酸っぱい冬が口の中に広がる。

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完膚なきまでに

from ☆ペコの月面宙返り☆ at 05/12/05

もはやイジメに等しいレベルの強さの違い、格の違いを見せつけた試合だった。 40対3 トライという名の処女膜は一度だって許さなかった。破らせなかった。 ちょっと遠目からのPGの3点しか明治はあげれなかった。 スクラムでも勝てない。 バックスはもちろん勝てない

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