マンションの鉄骨を抜くことを指示する建設会社と日本国の屋台骨を抜くことを指示する誰か
Posted at 05/11/25 PermaLink» Tweet
昨日はかなり充実した勉強も出来たし物も書けた。その代わり物を読む時間が少なくなっている。学ぶ(吸収する)こと、考えること、表現すること、それぞれがそれぞれに自分の生の重要な一部分だが、今は学ぶことと表現することがその存在感を増しているようだ。夜の仕事はそれなり。まあまあ成果の出ているところも有るし、まあこれから、というものもある。ルーチンワークも無事終了し、まあ軌道に乗って動いているということか。
今朝は朝から仕事の準備とルーチンの片付け。別納で郵送するものがいくらかあったが郵便局の時間外窓口で別納も扱ってくれるということを知る。民営化も具体化し、殿様商売ではやっていられないということなのだろう。
皇室典範の改正問題についてはあれこれ言う気もしないが、本質は伝統というものをどうするか、ということだけだ。伝統が伝統であることに、論理的な理由などない。ただ伝統として守られてきた事を守るからこそ「それ」が「それ」である、ということだけなのだ。「日本」が「日本」であるということもそういうことに過ぎない。何かを変えれば確実に失われるものがあるということを、もっと意識しなければならないだろう。破壊と創造だけを繰り返すだけのアメリカのような国になりたいのなら、別にアメリカの領土になれば良い。日本が日本であることに価値を置くのなら、守らなければならない伝統は守らなければならないのである。
しかし、伝統を平気で踏みにじる人々が「有識者」などと済まし返っていられる世の中であるから、結局は何もかも失われていくだけなのかと絶望的な気持ちにもなる。あまり道理が通らなくなったら、フジモリ政権が復活した後にペルーにでも移住しようかとそんなことすら考える。故郷が、故国があまりに変わり果てていくのを見るのに、私の神経が耐えられるかどうか、良く分からない。
マンションの鉄骨を2、3本抜くことを設計者に指示した建設会社があるというし、その会社かどうかは知らないが倒産を申請している建設会社もある。建設業界に一体何が巣食っているのか、これもまた一つの闇を小泉政権が解体しようとしているのかもしれないが、今回の皇室典範改悪案は日本国の屋台骨を二、三本抜くような指示であろう。それを法的には何の権限もないロボット学者やフェミニストにやらせる。誰の差し金かは知らないが、最終責任が首相にあることは間違いない。
東方紅の彼方に、日出る国はただただ海に沈んでいくのだろうか。(一言書いておきたいが、こうした表現は「自虐的」なのではない。そうなればいわゆる「憂国的」な表現は全て自虐である。)
***
世の中不愉快というか不愉快では済まないことが多いのだが、今朝買ったビックコミックはまたまた何度も泣かされた。『小早川伸木の恋』『兄帰る』も良かったが、いちばん感動したのは『天上の弦』だ。陳昌鉉の製作した3000円のバイオリンで芸大を受験する学生がいる。彼は並み居るヨーロッパの100万円クラスのバイオリンを使った受験生を抑えて合格する。製作上の悩みをバイオリニストに打ち明けると、バイオリニストは言う。「悩んでくれたまえ、陳君。我々演奏者もバイオリンに命を託すんだ。いいものを作るため、もっともっと悩んでくれたまえ。」受験生は合格し、主人公もまた思いを新たにして製作に取り組む。「物を作る人間」と「物を使う人間」の『いのち』のリレー。それこそが人を「生かす」のだ。何を使う際にも、物を生かしているかを考え、何を作る際にも、物にいのちを吹き込んでいるかを考えなければならない。「もの」や「こと」を通してこそ、人は生きることができる。
『本居宣長』をまた少しだけ読む。宣長の宇治十帖の解釈は、匂宮と薫という対照的な人物像を描くことに紫式部の主意があるのではなく、浮舟という本当に主体性のない女性を描き出すための道具立てに過ぎないのだ、ということだと言うことで、これには全く意表を突かれた。「こんな女にも生きる理由がある」という小林秀雄の表現はどうも現代的過ぎるような気もしなくはないが、ややロボット的なイメージがあった薫と匂宮の存在の意味がこれで自分の中では解けたように思った。「ご覧の通り、この女は子供だが、子供は何も知らないとは、果たして本当の事であろうか」と小林は書く。主体性がないからこそ、「もののあはれ」のみがただただ浮かび上がってきてしまう、ということかと思うが、そのように言われると全面降伏としか言いようがない。
ネットの調子が、というよりPCの調子が悪く、更新が遅くなってしまった。
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