アンマン爆破テロ/「ミッキーマウス保護法」
Posted at 05/11/11 PermaLink» Tweet
昨日は昼前に出かけ、松本近くで仕事。駅から少し歩くのだが、もう飛騨山脈(北アルプス)の北の方は既に雪化粧をしていた。冬になると松本平は西山(飛騨山脈)颪が強く深く雪が積もり、道を歩くのも難儀なのだが、昨日はまだ天気がよく風も穏やかで歩いていて気持ちの良いくらいの道のりであった。奈良井川の河原には河川改修工事が入っているようだが、河原の薄の穂が銀色に風になびいていて美しかった。
帰ってきて仕事の後処理。行く前に駅前の書店で買ったSAPIOを読むと、小林よしのり氏は目の手術ということで「新ゴーマニズム宣言」が休載になっていた。活発な活動が少し体の各所に影響を及ぼしているのだろう。氏も50を超え、からだをいたわりつつ活動を続けなければならない時期に入っているのだろう。私も体には一応の配慮はしているつもりだが、こうした話を聞くと身が引き締まる感じがする。
午後から夜にかけて仕事。帰ってきて夕食を取っていたらアンマンの爆破テロのニュース。確かにイスラムという文明における自己主張の仕方にはやや疑問が出てくるのはやむをえないだろう。彼らに内在する論理が世界の全ての人に対して説得力を持つのかどうか。現実に彼らに共感を感じている民族・国民は実際にはこちらが考えているほど少なくないだろうとは思う。西欧文明「優越」の論理が結局は破壊を引き起こしている。多民族が共存できるほど欧米世界は懐が広い、というところを証明して見せたかったのが結局は破綻しているということにならざるを得ない。
であればどうすべきなのか。やはり移民を送り出す国自体が生活していくのに十分魅力的な国になることがまず一番重要なことだろう。選択不可能的に移民や難民が生み出されていることが問題の根本にあるわけで、魅力ある国造りが先進国等の援助によって行われなければならないし、そのモデルを先進国側が押し付けるので無く、十分に話し合いを積み重ねて行っていかなければならないのだと思う。気の遠くなるような作業ではあるが。日本国内の過疎地問題などで考えても、なかなか簡単には行かない問題であることは明らかだが。
青空文庫のブログを読んでいたら著作権保護期間の死後70年への延長問題が論じられていた。現在の保護期間は50年で、保護期間が切れた作家の作品をファイル化していくことで青空文庫の活動は成り立っている。したがって、保護機関が延長になるとかなり大きな打撃を受ける。現在なら1955年以前に死去した作家の作品が著作権フリーになるわけだが、改正されると1935年以降に死去した作家の著作権が保護されることになる。つまり2.26事件で処刑された北一輝の作品も新たに(僅かな期間だが)保護されることになるわけだ。
この延長はまずアメリカで起こったのだが、結局はディズニーのロビー活動の成果であったようだ。ディズニーの著作権管理の厳格さはつとに知られているところだが、ウォルト・ディズニーが死去したのが1966年で、50年間だとディズニーの作品の保護期間が2016年に終了してしまう。アメリカの著作権保護期間はディズニーの死後何年というのを契機に何度も改正されてきたとブログはいうが、そのためにこの法律は「ミッキーマウス保護法」と言われているのだという。
アメリカの圧力でEUも期間延長を迫られたがEUは却下したらしい。それで日本でもこの問題が提起されているらしいが、なにもミッキーマウスのためにそんなことをやることはないというのが正直なところだろう。死後50年が保護期間、というのが生物学的に考えれば妥当なところではないかと思うが、このあたりのところを資本の論理であまり決めてほしくないものだと思う。まあそれをそうしてしまうのがアメリカという国なのだな後は改めて思うが。
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