『日本思想史入門』/麻生太郎と吉田茂/片山さつき経産政務官/日本の近代史を封印するもの
Posted at 05/11/03 PermaLink» Trackback(2)» Tweet
昨日はラテン語が少し捗った。書き物、仕事の準備などもそれなりに進み、夕方からの仕事も暇でも無く忙しくも無く。『日本思想史入門』は「三教指帰」を読み終えて「源氏物語」の項。空海については今まであまり読んだことがは無かったが、見事な漢文体でレトリックも華麗で驚いた。四六駢儷体なのだという。思想的に巨人だと思ってはいたが、文学的才能も半端ではない。文学史に出てこないからそうはとらえていなかったが、こうした思想的な文章も文学史的に位置付けた方が、日本文化・文明の理解の上では有益なのではないかと思った。
「源氏」は一度谷崎訳で通読しているが、原文は特別の味わいの有るものだ。いちいち辞書を引くのが面倒だから結局訳に頼ることが多いのだけど、学習のためでなく鑑賞のためであるなら文法構造の難しいところやぴんと来にくい古語などは脚注の形でどんどん放り込んでおけばあまり文学的興趣を妨げることなく読み進めることができるのではないかと思う。原文を読むのは高校生と専門家だけ、というのもおかしな話だし、古文を読むトレーニングがあまり出来ていない人間でも古文に親しむことが出来るようにするてだてはあるだろう。また現代作家による現代語訳もそれぞれいいものだが、やはり原文の魅力には敵わない。心安く原文に触れられる工夫はいまよりもっと出来ると思う。専門家の方々や出版関係のかたがたに期待したいことである。
「紫式部日記」の引用も所々にあったが、こちらはほとんど読んだことがなかったので紫式部の人間性というか、そういうものに触れた感じがした。この時代のクールな女性というのは出家願望が強い人が多いなと思うが、人事のわずらわしさというのはいつの時代でもいっしょなのだろうなあと思う。こちらを読むと「源氏」の理解もまた陰影を帯びて立体的に感じられるように思った。そちらの道の方には何をいまさら、という感想であろうけれど。
***
今回の小泉内閣改造人事で、一番面白いと最近思い始めたのが麻生外務大臣だが、彼の祖父は言わずと知れた吉田茂元首相である。ご母堂の麻生和子氏は実質的なファーストレディーとして元首相と共に外遊に随伴していた。田中元首相と真紀子元外相のような感じである。
吉田元首相は戦前は主に中国の領事などを務めた後、広田内閣であったか外務大臣との話もあったが英米派と見られて軍部に忌避されたことがあった。イギリス大使で外務官僚としてはあがりかと思われていたが、敗戦という未曾有の事態で引っ張り出され、GHQとの折衝にあたり、幣原内閣では外相を勤めた。幣原の退陣後は戦後一回目の総選挙で第1党になった自由党の党首・鳩山一郎に大命が降下するはずであったが、その当日にGHQによりパージされ、しばらくの混乱ののちに鳩山は吉田に総裁・総理就任を依頼して第一次吉田内閣が成立する。
麻生氏の会見を読んでいたら記者がそのあたりのことを質問していた。「吉田茂も首相になる前に外務大臣をやっていますが、そのポストになられたということでご感想は。」 このあたり記者もよく勉強しているという感じだが、麻生氏はそれに対して「吉田茂は外務大臣にならずに総理大臣と外務大臣を兼務したと記憶していますが、感想ですか。余り予期しなかった質問ですね。吉田茂がどういう感想を持つか、「大丈夫かあ」とそんなものですよ。こんな質問なんかされてね。多分そういう態度で、今その辺で聞いていますよ。 」と答えている。これも麻生氏らしい味のある発言ではあるが、祖父のキャリアは勘違いしていたようだ。
もちろん記者の意図は、「外相の次はいよいよ首相ですね」ということを言いたかったのだろう。なんというかまあ、歴史認識(笑)をもう少し持っているともっと気の利いた返答があったかもしれないなあとも思う。
内閣改造の副大臣・政務官人事も決まった。目に付くのは法務副大臣・河野太郎、外務副大臣・塩崎恭久、文部科学副大臣・馳浩、経済産業副大臣・松あきらといったところか。政務官では内閣府政務官・後藤田正純・山谷えり子、経済産業政務官・片山さつき、環境副大臣・竹下亘といった感じ。経済産業省の二階大臣・松あきら副大臣・片山さつき政務官という組み合わせはなんだかすごいな。
小泉チルドレンで十把一絡げにされているが、やはり「大使」も勤めた猪口氏は「大臣」しかないだろう。大使は官僚ならほとんど上がりのポストだから、それ以下のポストに起用することは難しいと思う。片山氏は財務省主計官ではあったがまだまだ上昇中の官僚であるから、政務官あたりが妥当だろう。中小企業対策などで血も涙もない対応をして総すかんを食いそうな気もしないではないが、政治家としてやっていくためにはまず通らなければならない関門であろうと思う。選挙も小選挙区で当選しているし、根性があるというかタフな人であるのは間違いないようだ。その力を本当に国家国民のためになるように使っていただきたいと切に願う。
東証社長が陳謝会見。巨大システム運用の難しさを改めて感じさせられる。もちろん相当何重ものチェックを行ってそれでも見逃されたところがあったのだろうが、いろいろ記事を読む限りでは割合単純なところにミスがあったような印象がある。東証自身が株式を上場する計画らしいが、それがシステムの万全の運営に資するものなら良いが、若干のリスクも感じる。村上ファンドの大証株買収などもあったし、上場にこだわることも無いのではないかと言う気もする。
三笠宮寛仁親王殿下が皇室典範問題で発言。「型破り」で知られる殿下であるからこそ出来る発言だろう。可能性があるのは後は秋篠宮殿下くらいだが、秋篠宮殿下は皇位継承順位に近すぎるので発言も難しいだろう。皇室には表現の自由と言う基本的人権も与えられていないから、自分たちに一番関わる問題について発言できない。こうして考えてみると、現在の憲法で一番動きを禁じられているものは自衛隊だと思っていたけれども、皇室もまたそうだということが改めて感じられる。つまり、現在の憲法は「尊王(皇室・国体問題)」と「攘夷(防衛問題)について日本人を封じ込め、動きを取れなくするための憲法だということが分かる。簡単に言えば、日本の近代史を「封印する」目的で作成されたといえる。憲法自体が歴史を否定しているのだから歴史を重んじることなど難しい、と改めて感じさせられる。
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from 政治ニュース@若者のおたけび at 05/11/04
結論から先に書く。 派閥というものは人間が存在する限り無くならない。 人が集まればそれだけで派閥が出来上がる。派閥に触れるだけでその人は派閥の一員と言える。派閥という表現を、『病院に通ってくる患者さん』『同好サークルに集まってくる人達』『夜のお店に足しげ
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from 九十九研究所@企業コレクション~じゅげむ本店 at 05/12/29
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20051229AT5F2900929122005.html
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