ローマ人の標準/ライブドアがセシール買収

Posted at 05/10/22

昨日夜帰京。昨日は午後から忙しく、どうも体調が下降気味の中最終で帰京したのだが、車内では週刊文春と『プリニウス書簡集』を読む。『プリニウス書簡集』はようやく最終章に入り、トルコ西部の属州に赴任した小プリニウスと皇帝トライアヌスとの往復書簡という部分で、プリニウスが現地の綱紀の乱れに割合微温的な対応をしようとしているのに対し、トライアヌスは断固たる統治をするよう求めているところが興味深かった。小プリニウスは今まで読んできた感じでも「思いやりのある統治」というか温情主義的な感じが家内奴隷や解放奴隷の取り扱いなどにも現れていたが、それが決してローマ人の標準ではなかったのだなあということがよくわかる。五賢帝のことについて、今までそんなに読んでいるわけではないので、こういう人柄の表れるやり取りは興味深い。

週刊文春ではパズルがいやにやさしくて驚いたのだが、村上世彰特集もまあまあ読んだが一番印象に残ったのは筒井康隆が原宿に建てた豪邸の記事で、庄屋作りの居間は全て筒井氏本人が行い、自らお願いしてかき集めた親方たちは「こんな仕事は40年ぶりだ」と大喜びしたという。梁も床板も富山の公有林で親方が選んだ白木を1年間乾燥させて用いたという。あるところにはあるというかんじだが、しかし金持ちはこういう文化的な仕事のパトロンになってそうした技術を維持する歴史的な義務がある、と思う。そういう意味できちんとそういうことを実行している筒井氏はさすがだなあと思った。

ある方の日記を読んでいてライブドアがセシールを買収したというのを知ってへえと思ったが、日経のサイトを見てみると通販もカタログによるものは前年比マイナスになっていて、ネット、特に携帯サイトでの通販が急成長しているのだという。セシールが二年連続赤字というのも一時の勢いを知っているものからしたらびっくりだが、時代はどんどん変わっているのだなと思う。girlswalker.comなどという携帯通販サイトが急成長で、携帯通販の市場規模は前年比5割り増しだそうだ。私などは、洋服をカタログを見ただけで買うなどという芸当は全然出来ない、いやパソコンやそうしたものですら実物を見ないと嫌な方で、ましてや携帯のあの小画面でぱっと購入を決めるなんてことはちょっとびっくり仰天である。材質感とかそういうものには全然こだわりがないということなのだろうか。よくわからないことが多い。

ひさしぶりにReadMe!を見ていたらランキング上位は全然見たこともない顔ぶれになっていたが、ブログで上位になっているサイトがほとんどライブドア・ブログを使っていることに気がついた。たぶん100位以内に入っているレンタルブログ使用のサイトは全てライブドアだったのではないかと思う。どういうことかなと思って調べてみると、ブログの構成の自由度がほかのところに比べて圧倒的に高いというのが分かってきた。ライブドアというのはどういう事業をやっているのか相変わらずよく分からないところがあるが、やはりどこか抜きん出ている選択眼があるのだなとちょっと感心する。ほかの雑誌のライブドア特集を読んでも、意外とまともな会社に変身しつつある、という評価もあり、そうなのか、と思ったり。なんだかいずれにしても経済シーンは西部劇のような時代なんだなあと思った次第。

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