どっちつかずの感の前原誠司/小泉首相は「中道左派」
Posted at 05/09/17 PermaLink» Trackback(1)» Tweet
夕焼けの色が深くなってきた。秋だなと思う。
民主党の代表に前原誠司氏が選出された。1962年4月30日生まれ。私と同い年である。以前から名前は知っていたが、あまり頻繁にテレビに出ることもなく、どちらかというと地味なイメージであった。京教大付属高、京大法、松下政経塾。新党さきがけを経て民主党ということだが政党所属歴は氏のホームページでは示されていなかったので正確には分からない。
ネクスト防衛庁長官とのことだが、過去のインタビューを見ると公人の靖国参拝には否定的、拉致議連と日朝友好議連の双方に所属しているなど、どうもどっちつかずの印象。本人はバランスが大事といっているが、根本的には戦後的価値観を疑ってみたことはない狭さの上で、あまり足元がしっかりした議論が出来ていない感じがする。菅直人よりはましな気がするが、党首選も96対94と微妙な票差、さてこれでこの人何かできるのか、という感じだが、まずはお手並み拝見というところだろう。しかし個人的な感想としては、長い間見ていたい顔ではない。しばらく党首をやっているうちに多少は見やすい顔になってくるのだろうか。とりあえずの任期は小泉首相と同じ来年9月。ダブル党首選がどんな結果になるか。
こちらのブログを読んでなるほどと思ったが、小泉首相は中道左派だという指摘は実は当たっているのではないかと思う。靖国参拝、イラク派兵のイメージで小泉首相はタカ派のイメージが強いが、靖国参拝は中国との対立軸を領土問題や東シナ海資源開発のような抜き差しならないところに持っていかず、抽象性の高い靖国を争点にしておくことでより重大な争点の顕在化を防いでいるという観測はそれが絶対正しいと断言は出来ないがかなりテクニカルな問題としてこれを扱っている根本姿勢から、観測自体の妥当性はそれなりにあると思う。国内的にいっても、靖国参拝や自衛隊派遣は右派・タカ派世論の客寄せには相当効果がある。しかしそうやって実は中道左派的な政策実現を図っているのではないかといわれると私などはうなずいてしまう。
今回の女性候補の大量当選も、女権論者としての小泉首相のセンスを端的にあらわしていると考えた方が妥当だろう。世論も、くの一だの何だのと反フェミニズム的なセンスの報道にむしろ反発して自民党に入れたのではないかという説を誰かが書いていたが、それも当たっている気がする。小泉首相は言説レベルでのフェミニストではないが、女性議員を増やすべきという政策レベルでのフェミニストであることは断言しても良いと思う。離婚経験者でもあり、さまざまな経歴の女性を政治に登用し、米共和党のような家族の価値観を主張するようないわば「保守的」な姿勢はゼロといっていい。そういう意味では中道を超えて左派的ですらあるといえよう。
そう考えてみると、マスコミにしろ野党にしろ、小泉首相と自民党の右派性、タカ派性を攻撃する姿勢は全く見当違いということになる。中朝韓各国もタカ派的な幻影に振り回されているだけなのではないかと思う。
私などは小泉首相が何を考えているのかだんだん分からなくなってきて、ついには100パーセント純粋なポピュリストなのではないかとすら考えたが、『中道左派』というタームを中心にイメージを描きなおすと非常にぴったり来るということが分かった。
そうなると、安倍晋三などとは根本的に立ち位置が違う、ということになり、そこもまた「次は安倍」とすんなりは行きそうにない、波乱含みの状況を感じさせる。
私などからすると上記のような状況は、小泉内閣成立後少しは左にずれすぎの方向性が修正されてきたかと思っていたのに、それが全くの幻影に過ぎなかったということになってしまい、全くやれやれと思ってしまう。日本はまだしばらく、戦後の永い眠りから覚めることはなさそうだ。冬眠から目覚める前に、クルド人のように国を失ってしまわなければいいのだが。
***
前原氏、政界入り最初の政党は日本新党で、宮沢内閣不信任案可決であの例の雨後の筍のように新人議員が当選した1993年の初当選組。2005年総選挙もそのとき以来の大変動ということを考えると、一つのサイクルが回ったという感じか。
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