新党「日本」の黒幕は小沢一郎か
Posted at 05/08/21 PermaLink» Trackback(3)» Tweet
田中康夫長野県知事を代表とした新党日本が結成されたという。所属国会議員は郵政反対派の代議士・小林興起(東京10区)、青山丘(愛知7区)、滝実(奈良2区)と、荒井広幸参議院議員(比例区)である。この動き、少し前から聞いてはいたが、堺屋太一の名前が挙がっていることといい非常に奇異な印象を受けていた。しかし、このブログにトラックバックしていただいた「田中県政追撃コラム&取材メモ」によると、この背後には小沢一郎がいるという見方を述べている。もしそうなら、豪腕小沢が小泉サプライズの向こうを張って久しぶりに大仕掛けの動きを見せているということになる。
綿貫や亀井程度の動きではもうどうにもならない感じがしていたが、小沢を背後に田中康夫や堺屋太一まで動員するとなると、これは政権側もうかうかしていられないという感じだろう。田中康夫を人寄せパンダにすればホリエモン以上の動員力は期待できる。長野県政もその間田中康夫の目を離れて少しは正常化するかもしれない。
しかし冷静に考えてみると、結局この動きは小沢一郎による旧田中(角栄)派の再結集の一環と考えてよいのではないかと思う。旧田中派といって悪ければ、対中・韓妥協(あるいは協調)派=潜在的反米派であり、昔の言い方で言えば反官僚の党人派人脈である。経済政策についてはちょっと測りにくいが、少なくとも小泉=竹中の市場至上主義的方向性とは違うだろう。
小泉首相の動きは結局外交政策的には対米一辺倒派=潜在的(明示的?)反中・反韓派であり、小さい政府を目指す市場至上主義はといってよいだろう。反官僚的に見えながら財務(旧大蔵)官僚を大量に投入する手法は保守政界に「吉田学校」を作った吉田茂の手法と似ている。簡単に言えば岸=福田以来の親米保守本流を再構築し、その流れに与さないものを追放する方向性と考えていい。
だからこの先締め付けが厳しくなっていったとき、新党「日本」を受け皿として用意してやり実質的に民主党が面倒を見るということになれば小泉路線に違和感を持つ議員も自民党も脱党しやすくなるということになる。
しかしこれはもちろん、現在小林興起らと選挙区で対立している民主党議員にとって見れば青天の霹靂だろう。この動き、さてどのような深謀遠慮が隠れているのか、小沢は小泉のように見た通りそのまんまの戦い方をする人物ではないから、そこらじゅうに地雷原がありそうで非常に興味深い。
私自身としては、親米一辺倒も親中・韓も出来れば避けて欲しいところである。東アジア情勢をめぐる代理戦争のようにしか日本の政局が見えてこないところはどうにも切歯扼腕という感じである。ごまめの歯軋りではあるが、この政局の中で何か新しい芽が見えてこないかと期待するしかない。
ま、もし小沢が黒幕であったら、の仮定の話ではあるが、この推測、かなり腑に落ちる。
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from サブカル「天」論 ~調整中~ at 05/08/21
さっそくですが、 新党日本ヘッドライン なるものを作ってしまいました。 一つだけ問題が発生しています。奇っ怪ニッポンは広告が随時更新されるためか常時上に来てしまいます。広告部分のHTMLを正規表現で表して「フィルター」として指定すれば該当箇所がスキップされて
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from Speed hour at 05/08/21
新党「日本」結成、小林興起前議員ら…代表に田中知事(読売新聞) 第2新党:小林興起氏ら「日本」結成 代表に田中康夫知事(毎日新聞) 代表に長野県知事の田中康夫を据えてきましたね。 今回、彼の動向がどうなるのかな・・・と思っていましたが ここでこう来るとは思い
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from いいたいことたれながし at 05/08/21
またまた新党結成。名前は「新党日本」。 代表に田中康夫氏、代表代行小林興起氏、副代表に荒井氏、青山氏、滝氏。 どーでもいい(笑)。 田中康夫を頭に持ってきた時点でアウトやな。 小林、荒井が自分らではできないと自覚したのは評価するけども。 知名度目
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