ビジュアルなものに対する執着/「手が読める」ことの重要性
Posted at 05/07/11 PermaLink» Tweet
明日また書くかもしれないが、今日は午前中本を読んでいる時間が長かった。『逆説の日本史』と『縦に書け!』を読み続ける。まだ読了せず。
ものを書かなければ、と思うのだが、なかなかそういう状態にならない。吸収ラウンドというか、とにかく本を読んでしまう。全体に集中力はかなり上がってきているのだが、書くほうにそれが投入されないのはなぜか。
そんなジレンマをはらみつつ、午後は出かける。自分を高揚させる場所、といえばまずは銀座なので、まずそこへ。教文館でじっくり本を探すが特になし。6階の喫茶店で『縦に書け!』を少々読む。
旭屋書店まで歩き、また本を物色。絵画や写真などビジュアルというかアート系のものが目に付く。これを買おう、というほどのものはなかったけれども、私はやはりこういうものがすきなのだなと思う。音楽よりも見るもののほうだ。
しかし、そういうほうに完全に傾いていかないのは、自分が絵をかくことが出来ないというある種のコンプレックスに起因している気がする。自分の出来ないものを自分が好むという現実に突き当たるのが嫌なのかもしれない。泰西名画の世界などはもう隔絶したものだから見てもいいなあと思うだけだが、写真などは見ていれば自分でも撮れそうな気がするだけに、見ていて悔しい気持ちがわいてくるのが嫌なのかもしれないと思う。もちろん撮れといって撮れるものでないことは理屈では分かるのだけど。
そういえば出かける前になんとなく3チャンネルで鶴太郎の絵画教室とか言う番組を見ていたら誰でもそれなりに絵をかけそうな感じがして、なんとなく腕が疼いた。小学三年生のときにぺんてる賞をもらったことだけが絵画における唯一の自慢なのだが。(バカ)
まあとにかく、ビジュアルなものにはちょっと複雑なところがある。どんなことでも-たとえばインテリアのコーディネートなどでもいいのだが-とにかくその欠落感を埋めるようなことをいずれは何かしなければならないという思いはずっとある。
自分が写真というものにちょっと執着を持つのは、そういうビジュアルなものに対する心残りというか、そういうものがあるからなのだと思う。
しかし結局旭屋でも何も買わず。買いたい気持ちがないでもなかったのだけど、ここのビジュアル関係の本はなぜか傷んでいる本が多いのである。プレイボーイの写真集などカバーがぼろぼろになっていた。これでは誰も買わないだろう。客の方の扱いが乱暴だということはあるだろうけど、店の方ももう少しきちんと管理した方がいいように思う。ポスターの貼ってある写真集の在庫がなかったり、この当たりそれなりにいい本が揃っているのに本がそんな状態だと少々悲しくなる。
銀座をぶらぶらしながら北上。外堀どおりを歩いて高速の下をくぐると、目の前にもう八重洲富士屋ホテルである。当然なのだが、銀座も1丁目くらいまでくると東京駅はすぐ近くなのだ。八重洲ブックセンターに入り1階を物色する。まぐまぐブックスのPODが置いてあるのを見つけたが、ここでも何も買わず。
東京駅の構内へ。高速バスの乗り場をなんとなく見ていたら、二度ほど言ったことがある佐原にバスでも行けることに気づいた。運賃や所要時間の比較はしていないけれども、この方面は案外バスが便利なのでまた考えてみようかなと思った。
帰郷するときによく丸の内北口であずさ回数券を挿入すれば指定を取れる機械をよく使うのだが、八重洲にも中央口にはその機会が何台もあることに気づいた。しかし自分が良く使う北口にはなく、中央口まで歩くのは少々うざったい。どうしたものかと思う。
北口の目の前の栄松堂のスタンドで本を物色し、羽生善治『決断力』(角川Oneテーマ21)を購入。散々大きな書店を歩き回っても何も見つからず、こういうところでおっと思うものに出会うことがあるから本というものは侮れない。
この本も読みかけだが、直観の大切さについて書いてある部分が多い。よく考えてみると、今時分は直観養成状態にあって、そのせいで論理的な構築力というものが少々後退しているため、何を書こうという構想が全然わいてこないのではないかと思い当たった。
「手が読める」ことの重要性というものを考える。物事の多くは自分の決めたとおりにはなかなか行かないけれども、それでも先に先に手を読みながら最善の手を尽くしてなるべくよいものを実現していかなければならない。そのためには、常に一歩踏み込みつつ、一方で手を読んでいることが大切だ。自分は過去、あまりに大きな失敗をしたために手を決めたり読んだりすること自体を封印してしまっていた部分があったが、やはりそれではだめなのだ。人生に復帰するためには、世の中の決めた軌道というものはともかく、自分の決めた軌道というものを再構築してまたそれに乗るようにしなければならない。脱線や道草もいいが、そればっかりしている時間も人生にはあまりない。
羽生の本を読むといろいろなことを考えることが多いが、今回はそんなことを考えながら読んでいる。
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