滅びの美学ともののあはれを知ること
Posted at 05/07/07 PermaLink» Tweet
午前中は操法を受けに松本へ。おなかの具合が問題。活元運動がもっと必要だと言うことのようだ。活元運動のコツが少しわかった。私の場合だが、小さく、鋭く、速い円運動が自分のからだに自然な動きらしい。
昼食を少し食べ過ぎた。店を出ると、雨が降り出していた。
午後は雑用をいくつか片付けた後、仕事。ウェブをいじる方もはじめるとそれなりに手間がかかる。本来の仕事も、割合丁寧に手を入れていたら結構忙しかった。
『小林秀雄』、少しずつ読み進める。批評家としてデビューして以後、特に戦後のことは今まで知っていたことの方が多いが、作品に対する見方としては参考になることが多い。戦前の中原中也との関係などはあまり詳しい経緯を知らなかったので、大体知ることができた。ある種の御伽噺のような恋愛・友人関係。瀬戸内・美輪が言うようなロマンチシズムの時代らしい物語。
日米開戦時、何かから解放されたような印象をうけたと言うのは、小林だけでなく、たとえば清沢冽のような方向性の全然違う人も言っていて、かなり多くの共有された感情だったということは確認しておくべきだと思う。この時代に世論調査があったら、開戦直後は、たとえ憲兵の恫喝がなくても相当な内閣支持率であったのではないか。もちろん湾岸戦争やアフガン戦争後の新旧ブッシュ政権の支持率と同様、戦争というものは支持率を上げるものではあるけれども。
戦争末期、『無常ということ』の一作として小林は『実朝』を書いているが、同じ時期に太宰治が『右大臣実朝』を、斎藤茂吉が『源実朝』を書いているという指摘は興味深い。実朝という人は、日本人の中にある「滅びの美学」を象徴する人物なのだなと思う。今、源実朝を評論したら、どのような作品になるのだろうか。
『本居宣長』で言っている心本来の全的な認識力=もののあはれを知ること、という問題になると、そういう考え方は私の心の琴線には触れるが、現代人のうちどのくらいの人に支持を受けるのか、ちょっと私にはわからない。文学方面の人は私などが思うより支持するのだろうか。
読了まで後少し。今日は七夕。
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