父の命日/「ボーイズ・ラン・ザ・ライオット」/モーツァルトのレクイエム

Posted at 20/12/05

昨日は父の命日だった。花とお供えのお菓子を買って仏壇に供え、お墓参りにも行った。金曜日は母を病院に連れて行く日なので母にその話をしたら覚えていなかったらしく、お父さんに申し訳ないと言って母が編集した父の遺稿集を読み返して偲びたいので持ってきてくれというので後で施設に届けた。もう11年になる。
昨日は吾峠呼世晴「鬼滅の刃」の最終23巻の発売日で、そのほかにもいくつもの単行本が出たのだが、買ったのは矢吹健太朗「あやかしトライアングル」2巻、戸塚慶文「アンデッドアンラック」4巻、Gino0808「雪女と蟹を食う」7巻。学慶人「ボーイズ・ラン・ザ・ライオット」3巻は発売日なのだが書店を2軒回ったけど入荷していなかった。どこも「鬼滅の刃」を大量入荷して大変だろうから落とされてしまったのだろうか。講談社・小学館・集英社の漫画単行本で発売日に入荷してなくて買えなかったのは「プリマックス」最終10巻(ヤンジャンコミックス)以来だな。
「ボーイズ・ラン・ザ・ライオット」はFtoMのトランスジェンダーの作者の作品で、主人公の「女子」高生が男の友人たちとTシャツショップを立ち上げて行く話で、トランスジェンダーものとしてだけではなくパンク的な内容も、また成功までの挫折や学びも私は面白く読んでいたのだが、ヤンマガ連載だったのがウェブ連載に移り、まもなく終了したのでわりと残念な経過があったのかもしれない。とりあえずKindleで読んだので、もう一軒回ってみてあるいはAmazonで注文しようと思うけれども、自分が面白く読んでいる作品が評価が低いのだとしたら残念なことだ。連載自体は終わっているがおそらくは最後の巻が2月に出るようだ。次回作も期待したい。

今朝車を運転しながらNHK-FMで「ビバ合唱」を聴いていたら、ブルーノ・ワルター指揮のモーツァルトのレクイエムがかかっていて、抜粋ではあるけどまともに聴いたのは初めてかもしれないと思った。

モーツァルト:レクイエム
ウィーン楽友協会合唱団
ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
2002-10-23



葬送の曲というと自分の中ではショパンのソナタ2番の第3楽章が強く印象にあって、あの感情が死んでしまったような悲しみの底から時々ふと湧き上がってくる楽しかった思い出、みたいなちょっとやりきれない感じがいいとは思いながらあまり聴きたくない感じなのだけど、モーツァルトはそういう現代的な感情が死んだようなところはなくて、悲しいところでは悲しみ、理不尽なことには怒り、みたいな健康的な初期近代人の感情みたいなのが描かれている感じがして、いい曲だなあと思った。

知られている通りこの曲はモーツァルトが最後に書いていた曲で完成を見ずに亡くなったわけだが、結局は弟子のジュースマイヤーが完成したわけだけど、私はずっと芸術的な理由でこのすばらしい曲を完成させるという目的で補作されたと思っていたのだが、完成の時に依頼者からお金をもらうことになっていたので(前金で半額はもらっていたというが)お金をもらうために妻コンスタンツェが依頼して書いてもらった、という話を聞いてなるほど現実的な話だと思った。

ジュースマイヤーはモーツァルトの死までその作曲を手助けしていたという説があってだから彼が一番モーツァルトの意図を理解していたのではないかという話を聞いて、補作が評判が悪かったという話を主に聞いていたのでまあ彼の補作が一応標準系と考えるべきではないかなあと考え直した。

今日は朝のうち雪という予報もあったようで少し心配したのだが、雨のままで済んだし晴れてきたので今日は大丈夫だろう。なるべく早めにタイヤ交換しようと思う。


小大名の生き残り術

Posted at 20/12/02

藤木久志『刀狩り 武器を封印した民衆』(岩波新書、2005)を読んでいるが面白い。
刀狩りというものの本質が何だったのかという話も面白いのだが、いろいろなケースについて述べる中に近世大名として生き残った人たちの中には尾張・美濃・近江などの地侍から信長・秀吉に仕えて出世し、関ヶ原では東軍についてその後も江戸時代を乗り切って廃藩置県まで続いた、というような大名が割合多くて面白い。

第3章の冒頭に出て来る溝口秀勝という大名は刀狩り令の出た当時加賀大聖寺領を支配していたが、もともと丹羽長秀の与力だったのが堀秀政の入封とともに正式の大名となっている。彼は刀狩り令が出た翌月の初めにはすでに刀狩りを終えており、没収した刀や脇差を秀吉のもとに送っている。仕事が早いのが印象的だ。

彼は秀吉から偏諱を受けるとともに豊臣の氏姓を与えられ、越後新発田に6万石で封じられているが関ヶ原では東軍に属し、上杉遺民の一揆の鎮圧に努め、新発田藩の祖となっている。溝口家はそのまま維新まで続いた。

溝口家が周りの大名たちが次々に改易される中生き残れたのは、明智・柴田の遺臣を登用して家臣団を形成し、その後も近隣の改易諸藩からの浪人を受け入れたことにあるらしい。溝口家を取り潰すとその浪人たちが一斉に解き放たれ、社会不安を引き起こす可能性があると見られたからだと言う。

江戸時代に三百諸侯と言われた大名たちの中には様々な出自があるけれども、小身から織豊期に藩祖が功績を上げて大名となった例はどれもいろいろと面白く、調べてみると様々なケースがあるように思われた。

松本の丸善へ行った

Posted at 20/11/30

しばらくずっと東京へ行ってないし、例え行っても地下鉄で繁華街に出かけることはしばらくは無理なので、大きな書店にもずっと言ってなかったのだが、今日は思い立って松本に出かけて丸善で本を見てきた。

やはりまず何のかんの言っても大きな書店にいくということ自体が大事で、普段見ることのない書籍を見ていると自分の中が刷新されていく感じがする。これはネットでは味わえないことで、リアルの書籍の力というものを書店にいくと感じることができる。




藤原冬嗣 (人物叢書)
達哉, 虎尾
吉川弘文館
2020-07-30


今日買ったのは鈴木洋一郎「見えない宇宙の正体 ダークマターの謎に迫る」(講談社ブルーバックス、2020)と虎尾達哉「藤原冬嗣」(吉川弘文館人物叢書、2020)。丸善ではその2冊で、他に街を歩いて目についた書店で岩波文庫の高松雄一編「対訳 イェイツ詩集」を買った。イェイツは何か持っていたが、多分詩集を買うのは初めてではないかという気がする。

対訳 イェイツ詩集 (岩波文庫)
イェイツ
岩波書店
2009-07-16

 

1冊目はダークマターについて知らないことを書いてある感じだったので買ってみた。2冊目は平安前期という史料の多くない時代のことが気になるのと、「阿吽」に描かれた嵯峨天皇の時代のことを研究書でも読んでみたいというのもあった。

イェイツ詩集は、原文を声に出して読むとわりといい雰囲気があるなと思った。

車で行くか電車で行くか迷ったのだが、普通電車にはあまり乗りたくないので特急で行こうかと思ったが、結局1時間に一本だから時間が気になるなと思い、車で出かけた。イオンモールのヴィレッジバンガードに行こうと思ったのだけど、ドラえもんショップに衣替えするらしく改装中だった。

松本の街中を久しぶりに歩いた。普段はどうしても車で動くのであまり歩かないのだけど、今日は結構歩いたので足が痛くなったりした。運動不足だ。中町通りを歩いたら飲食店だけでなく他の店もあるのに人通りが少なくて、確かにこの通りでこれではコロナの影響は相当大きいのだなと改めて思った。まあ上諏訪の町は普段からあまり人が歩いてないので違いがわからないとも言えるが。

とは言え、イオンモールはかなり人が出ていて、いるところにはいるのだなと思った。トイレの前でおしゃべりに熱中しているおばさんたちとかいて、まあ広がるならこういうところからクラスターが発生したりするんだろうなと思ったり。

結局家を出たのが2時前でイオンモールに着いたのが2時50分ころ、出たのが5時10分頃で家に着いたのが6時20分ころだった。午前中に往復するとインターに近いところなら40分くらいで行けるので、やはりラッシュ時間帯は時間がかかるなと思った。

今日は満月。

装飾芸術とモダニズム

Posted at 20/11/23

堀本洋一「ヨーロッパのアール・ヌーボー建築を巡る」(角川SSC新書、2009)を読了。買ってからしばらく本棚に挿したままになっていた本なのだが、ふと読んでみる気になり読み始めたのだが、しばらく読めていなかった理由が読んでいるうちにわかってきた。
この本は写真家でもある著者のヨーロッパの世紀末建築を巡る一種のガイドブック的なものなのだが、私自身が世紀末建築とかアールヌーボー建築について、建築史上の位置付けがちゃんとできてなく、また何がアールヌーボーで何がそうでないのか、その辺りのところもあまり整理できてないからなんだなと思った。

だから本当は建築史の本をちゃんと読めば良いのだが、とりあえずそこまでやる余裕もないので、ネットで色々調べながらこの本を読み、自分なりにわかったことを少し書いておこうと思う。

簡単にいえば、アール・ヌーボーやアール・デコなどの流れは異端だということだ。では何が正統かというと、モダニズム建築だということになる。近代建築の三巨匠と呼ばれるのがミース・ファン・デル・ローエとル・コルビジェとフランク・ロイド・ライトで、それにもう一人加えるならヴァルター・グロピウスということになるのだが、彼らは基本的に装飾を排した実用性が建築の本旨であるという方向性を持っていたため、装飾性の高いアール・ヌーボーは時代遅れの産物とみなされたわけだ。この辺のところはコルビジェの「建築とは住む機械だ」という言葉とかローエの「ユニバーサル・スペース(何にでも使える空間)」という概念とかに現れている。

ただ、元々の始まりはアール・ヌーボーもモダニズム建築も1880年代イギリスのアーツ・アンド・クラフツ運動に遡るといわれている。アール・ヌーボーの新しさは、伝統的な意匠ではなく自然に範を取った新しい題材、新しい曲線を建築や家具などに生かしていくところにあったわけだが、それらはウィリアム・モリスの影響を受けていることはある意味わかりやすい。また生活と芸術の統合というモリスの思想は柳宗悦らに影響を与え、日本での「民藝運動」や「用の美」という審美的基準にもつながっていくわけだ。

モダニズムとアール・ヌーボーの分裂が始まるのは1910年代の規格化論争で、作家性を重視するアンリ・ヴァン・デ・ヴェルデと製品の規格化を推進するヘルマン・ムテジウスの間で行われた。ヴァン・デ・ヴェルデが第一次世界大戦により手掛けていたワイマールの工芸学校をグロピウスに託してドイツを去ると、工芸学校は1919年に「バウハウス」となり、モダンデザインを主導する世界初の美術学校になる。

バウハウスはドイツにおけるアール・ヌーボーであるユーゲントシュティールを「キッチュ(=俗悪なもの」「いんちきなもの」「安っぽいもの」「お涙頂戴式の通俗的なもの」などを意味するドイツ語)」であると批判・嘲笑することになり、モダンデザインの一般化の中で装飾志向の建築やデザインは見向きもされないものになった。

それが再評価されるのは68年革命以降、つまり「近代主義」そのものが批判対象になってからで、アール・ヌーボーやアール・デコが見直されたのも「近代主義批判」のおかげかと思えば、ポストモダンも一定の功績があったと言えるなと思う。

しかしその近代主義批判が及ばなかったのがソビエト・ロシアであり、冷戦崩壊までソ連のデザインは基本的にモダン志向のものであり、その「古臭いモダニズム」が現代ではある種の郷愁を呼ぶ感さえある。

まあそんなふうにモダニズムと装飾志向芸術を簡単に整理してみた。

この本自体でいうといきなり最初にガウディが取り上げられ、活動年代から行って確かにアールヌーボーと同時代だし意匠のモチーフとしては似ているものも多いけれどもそれを同一視するのもいいんだろうかと思ったし、ル・コルビジェにも装飾性の強い時代があったり前後の思潮との関係のある建築写真もたくさんあって、「アールヌーボー建築」というよりは「19世紀末から20世紀初頭のヨーロッパ建築」と銘打った方が妥当ではないかと思ったのだけど、副題についている「19世紀末から20世紀初頭の装飾芸術」というのが本来の題名で、「アールヌーボー」と銘打ったのは出版社側、編集者側の販売戦略から出たものと考えるべきかもしれないと思った。

まあそういう雑な題名の付け方が私などには「理解しにくさ」が感じられて10年以上この本を放置していた原因とも言えるし、いざ読み始めてみると「アール・ヌーボーって何?」的な自分の根源的な疑問が掘り起こされた理由ともいえ、まあなかなかよく知らない分野でこういう適当なことをされると素人は道に迷う感じはあったけれども、勉強するきっかけにはなったのでまあいいかとも思う。

基本的には現存の建築物だけが撮影されているのでガイドブックとしてはいい感じではある。勉強する機会があったらもう少し専門性の高い本や写真集を読んで、見てみるのがいいかとは思ったが。

こちらもよろしく

文化系ブログ
アート、小説、音楽、そして映画NEW

史読む月日
歴史のこと、歴史に関わる現代のことなどNEW

個人的な感想です(FC2版)

個人的な感想です(ameblo版)
漫画・アニメの感想などNEW

私のジブリ・ノート
ジブリ作品の感想・考察などNEW

生きている気がするように生きること
自己啓発、事業、ガジェットメモ、服装メモなどNEW

Feel in my bones
心のこと、身体のこと、その他のこと、そしてつぶやきNEW

スタジオみなみ
小説作品サイト

少女タイラント(仮)
小説の断片ブログ

本探し.net

本探しブログ

本を読む生活

読書案内ブログ

プロフィール

profile

author:Kosuke Hotta (kous37)
sex:male
age:56
single again
address:Tokyo,Japan

自己紹介

電子書籍のご案内
KOBOストアで買う

堀田俊夫著作集

月別アーカイブ

Powered by Movable Type

Template by MTテンプレートDB

Supported by Movable Type入門

Title background photography
by Luke Peterson

2020年12月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
 今日の点取り占い  点取り占いブログパーツ
kous37
携帯百景 - kous37
携帯百景

Powered by ついめ〜じ

電子書籍のお知らせ

リンク

blogram投票ボタン
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ


以下はamazonインスタント
ストアを利用しています。
詩の本のお店
2007年に取り上げた本
面白そうだな、読みたいな
アンジェラ・アキ ストア
玉姫伝説
白洲正子コレクション
小林秀雄コレクション
村上春樹の森
プーシキンを読もう!

モーニングページ、アーチストデートなどはこの本で。
野口整体について、入門的な内容を網羅しています。


ブログパーツ
全順位
ブログパーツ

全順位
あわせて読みたい

フィードメーター - Feel in my bones
total
since 13/04/2009
today
yesterday