科学の発展と神の領域

Posted at 17/10/17

自分が科学について物心がついてから、どの分野も急速に進歩していることは確かなのだけど、物理学や化学についてはあまり感じないのだが、生物学や天文学の進歩は驚異的だと感じている。多分それは、前者が根本的に窮理学であるのに対し、後者が根本的には博物学であるからだろうと思う。

天文学も生物学も根本的には博物学であるから、観測・観察が第一で、その手段が長足の進歩を遂げたことでその分野が大発展しているということが大きい。特に天文学は宇宙空間に観測機械を発出することによって地上からでは感知できない多くのことを知ることができるようになったことは全く画期的なことだと思う。少年の頃に天文学に憧れた身からすると、やっとけばよかったなあと思うがそれも後の祭りなので今は少しでも成果を知ることで楽しみたいと思っている。

また特に生物学に関しては、観察だけでなく理論の発展によって様々な生命現象が科学的なスタイルで記述できるようになって来ていて、遺伝情報や細胞分化、脳などについてはここ数十年で信じられないような発展を遂げている。

しかし基本的に博物学であるということは、帰納的に現象を記述することが第一なわけで、天文学がいくら発展したところで太陽フレアを止めることはできないし、予測も根本的には難しく、対策をとることくらいしかできない。そういう意味では博物学的な分野は地震の予知もできないし、生命を無から作り出すこともできない。

それとは別のことだが、物理学や化学は根本的には窮理学だったったが、技術の発展によってそれを裏付ける分野が付け足され、発展して来ているとは言える。蒸気機関や内燃機関の発展と熱力学は切っても切れないだろうし、電気技術の発展があったから電磁気学が発展したという面は否定できないだろう。また化学の発展は薬学や新素材の開発と切っても切れないわけだし、窮理学だけでなく工学への応用ができるという面では演繹的な部分が強い。

ただ、それだけに物理学は原子核反応という人類を滅ぼしかねない技術を手に入れ、化学もまた人類を死滅させかねない強力な毒物を開発する手段を生み出した。演繹的な科学技術というのは諸刃の剣であることは間違いない。

天文学や地学は今の所、強力な演繹的な手段を手に入れてはいないから太陽系を組織替えするような事業に手を出す神をも恐れぬ所業を行う力はないわけだけど、生物学は生命は作り出せなくてもクローンや幹細胞の技術によって材料さえあれば類似品を作り出すところまで可能になりつつある。フランケンシュタインのような存在も、技術によって作り出すことが可能にならないとは言えないだろう。

そのような神の領域に手を出すことが多くの人間にとって禁忌に感じられるのは、神が作ったこの世界を人間の手で変革することが恐れ多いというだけでなく、人間という存在の不完全さを感じる人にとっては破滅への序章のように感じられるということもあるだろう。

私の場合は、この人間という存在も、生物という存在も、現在ある形のこの世界が、神によって、ないしは自然現象によって滅ぼされるならある意味仕方がないと思うけれども、人間の手によって滅びるのは理不尽な気がする、ということが大きいのだと思う。

ただそれも、人間中心主義的な考えの人の中には、人間は自らの運命を自らの手に握るべきであって、それで滅びるなら仕方がない、という人もいるかもしれない。ただどちらにしろ、現在人間が手にしているプロメテウスの火は世界を焼き尽くしかねないほど大きなものになりつつあることは確かで、それがいつか人類を滅ぼすことになる可能性はゼロではない、ということは理解しておくべきことなのだと思う。

自分が動きを作らなくても、周りは静かに動いている

Posted at 17/10/13

雨がかなり強く降っていた。今は少し勢いが弱まったかもしれない。ただ、雨雲図を見ると前線らしき雲がずっと長野県中部を動いていて、雲は前線の方向に進んでいるので雨はしばらく降り続く感じになっている。

先週も金曜日にかなり雨が降ったから、ちょうど一週間のサイクルで雨が来ているということかもしれない。春秋の天気の周期的な変化。気温は10度前後。よく晴れた日のようにとても低くはないが、紅葉は確実に進んでいる。

ここのところずっと、自分で何もかもやらなければいけないというのが強すぎる時期が続いたのだが、数日前に少しターンが変わったような気がした。今は自分のターンではなく、周りが動いていくターンなのではないかと感じている。自分がやらなければと思ってしまうのを我慢して、人の動きに任せる。周りの動きを感じる。気がつくとそれでも物事は動いている。そんなターンである感じがする。

本当はもともと、自分の動きもまた周りの動きの一つとしてその動きに参加している感じなのかもしれないのだが、何もかも自分でやらなければならないような気がしていただけなのかもしれないという気がして来ている。

本当に新しいことをするためには自分から動いて流れを作らないければいけないしそれはそれでいいのだけど、自分が動かなければ何も動かないというのは思い込みで、でも少しそういうのが強くなるときはあって、多分それは精神的にあまり良くないことであって、鬱症状の人の話などを聞くとそういう思い込みが強いなあと感じる。自分が自分がと思いすぎて周りが見えていないということなんだろう。自分が動こうとすると周りがとてもゆっくりすぎるような気がしてまずいのではないかと思ってしまうのだけど、たとえゆっくりであってもちゃんと動くところは動いているし、自分が手を出すよりもはるかにスムーズに、また実は遥かに早く動くことも本当は珍しくない。

その動きを見ていられる、感じていられる心のあり方というのが多分大事なことで、そこは逸る気持ちを抑えていかなければいけないのだと思う。

少し寒くなってきたのでファンヒーターをつけている。9月の終わりころにもすでに寒い日があってそのころに一度出したのだけど、出しただけでほとんど使っていなかったが、今日のように冷たい雨が降って気温が低い日は、やはり暖房はありがたい。季節は確実に回っているなと思う。

アイルトン・モンタホヨスとかファシズムとか

Posted at 17/10/10

一度更新を休んでしまうとブログというものはなかなか更新できないものなのだが、更新するかしないかというのも一番大きいのは心の余裕があるかないかということによっている。ブログを書くことが仕事だという人ならば毎日必ず更新するだろうし、私もツイッターのない時代には(使い始めてもしばらくは)ずっとブログを書いていた。
土曜日の朝のFM、「ゴンチチの世界の快適音楽セレクション」でブラジルの22歳のミュージシャン、アイルトン・モンタホヨスという人の曲を聴いてこれはいいなと思い、昨日神保町の貸しCDショップやディスクユニオンに行って見たが見つけられなかったので、iTunesで調べて見たら、Ayrton Montarroyosという綴りで見つけることができ、アルバムのDLが900円だったのですぐにDLした。あとでネットで調べて見るとエアートン・モンタローヨスという読みでCDは出ているようだったが、2000円以上した。まだ国内版は出てないということだろうか。

まだ聴き込んだというほどは聴いていないが、ゆっくりとした曲が多いけれども覚醒した感じで眠る時に聴く音楽ではないという感。日本の曲に似ているようなそうでないような、クラシカルな雰囲気とでも言えばいいか。

ファシズム (岩波現代文庫)
山口 定
岩波書店
2006-03-16



神保町の街は月曜日の休日で、人出はあったけれども日本橋や大手町ほど混んではいなかった印象。ヴィレッジバンガードや高岡書店を回り、山口定「ファシズム」を探したけど見つからなくて、三省堂本店に行ったらあった。そこでハンナ・アーレント「全体主義の起原」の新版が出ているのを見て、今読みたいのはこういう文体かもしれないなと思ったが、少し高かったので買うのを躊躇した。

全体主義の起原 1――反ユダヤ主義 【新版】
ハンナ・アーレント
みすず書房
2017-08-24

 

すずらん通りの向かいの文房堂の3階の喫茶室でメープルシロップをかけたシフォンケーキを食べて「ファシズム」を少し読んだ。ドイツやイタリアで起こったことと日本で起こったことを一まとめにして「ファシズム」と名付けるのは少し無理があるような気がした。1930年代当時のヨーロッパの市民社会と、日本の社会はそんなに同じではないだろう。リベラルという言葉をめぐる昨今の融通無碍さも気持ち悪いが、言葉を丁寧に使うことが最終的には文化を大事にすることに繋がると思う。

おがきちかさんの「Landreaall」(ランドリオール)30巻特装版を読みました。

Posted at 17/09/27

「ランドリオール」30巻特装版を読みました。
クレッサール編が終わり、DXとディアの関係がどう進展するのか、しないのか、が29巻から続いていたわけだけど、その一応の結末がこの30巻でついた。話はどこまで収録されるのかと思っていたが、結果的に今まで雑誌に掲載されていた全ての分(10月号まで)が収録されているので、明日28日発売の11月号では「続きが読める」ことになる。

連載時にはどうも何をどう書けばいいのかわからず、あまり感想もかけなかったのだが、単行本になって読み直してみると意外なくらいスラスラ読め、かなり書き直したのかとさえ思ったが、絵の描写に若干いじられたところはあったものの、ほとんどそのままで、なぜこんなにイメージが違うのかと思った。この辺りは29巻でも感じたのだけど。

つまりは連載時は物語の中に入っていけず、違和感を感じていたのが、単行本になって読んでみると中に入っていけてスラスラ読める、という現象が起こっているという感じだ。同じ印象を受けるならわざわざ単行本を買う必要もないかもしれないが普通はそうなので、なぜそういうことが起こっているのかちょっと不思議な感じ。

ディアはファラオン卿と結婚し、王に即位するファラオン卿とともに王妃になることになっている、というのが明らかにされたのが20巻のこと。1年に2巻刊行されるので、もう5年前なんだな。それからクレッサールでの冒険をDXとともにしたのが22巻の終わりから29巻のはじめ。クレッサール編は「アブセントプリンセス」、すなわち「革命」の後始末の話でこれは物語が始まった当初からの長い伏線の解決になっていて、この先ランドリはどこへ向かうのだろうと思っていたら、30巻でファラオン王の即位とともに「ランドリオール元年」が宣言され、ここから新たな冒険が始まる、という感じになった。

まあいつもドキドキするのは、こういうのがあると「俺たちの戦いはこれからだ!」になってしまうのではないかということを恐れるわけだけど、さすがに30巻の終わりで終わったら中途半端すぎるというか、ラストで竜葵によって示された竜創と短刀・華霜の使い方でDXは新たにパワーアップしたわけで、これからさらに新しい冒険に向かって進んでいってほしいとは思う。

「ディアとの恋」はいつ始まったのか、DXがそれを意識したのは馬上槍試合の前あたりだったけど、お互いに意識はしていた。それがクレッサールの試練でより深まり、DXは「ディアの騎士」になったわけだけど、神出鬼没(?)のレイ・サークの存在に幻惑されてDXもイオンたちもディアの本当の思いを見定められずにいて、DXはディアに「俺のことが好きなのか?」と聞いてしまうという暴挙に出る。読者の側にはそんなことはわかりきったことなわけで暴挙に見えるのだけど、そういう二人の行き違いを解決するためにイオンと「アカデミーの仲間たち」が一肌脱ぐ、という展開。

ここ、考えてみると、シスコンのDXの半ば天敵?のようなカイルとか常に慎重なティティ、いつもは見返りがなかったら動かないライナスとかが積極的に関与しているわけで、そういう斜に構えた連中がDXを応援する、というところが見所なんだなあと改めて思った。

そして、周りから焚き付けられるDXが思わずビビってる、ディアを傷つけたらどうしよう、という思いをマリオンのことや「王妃になるディアとの身分違い」にまで言及して言っているのは、普段自分の心の中を明かさないDXがついに「仲間たち」の前で本音を漏らすという貴重なシーンで、そしてそれを最終的に背中を押したのがフィルの「俺が一緒に怒ってやる!」という言葉だったのは、この物語をずっと読んできた人にとっては、やや強引な感じはしないでもなかったが、感慨深いものであっただろうと思う。

でまあ、思いを告げようとしたディアにその言葉を止められて、「私はあなたと対等でいたい。あなたとだけは」というディアの言葉は、考えて見たらそれ以上ない愛の言葉なんだよな。王妃と対等な騎士って、それは誰なんですかという。

そして長い長いランドリのストーリーの中で、初めての「DXが恋人と抱き合う」シーン。まあこれはガラス越しのキスみたいなものだけど、やはり一つのクライマックスだったなと。

そして即位式が行われている中、傷心のDXは風花山脈(今まで名前は出てないと思うがレーカーベアのいるエカリープ西方の山地のようだ)でレーカーベアの群れにクレッサールで救い出したリトルを預け、さらにウルファネアに足を踏み入れる。ここでなぜ竜葵なのか、といえば、馬上槍試合の際にDXの背中を押したのが結果的に竜葵からの「それはお前の運命の女だ」という手紙だったからな訳ですね。

でまあ、今回のウルファネアでの旅で、竜葵は竜葵なりの落とし前をつけるわけなのだけど、今20巻読み直していきなり急に盛り上がってしまった。いや傑作でした、あの辺。

さてさて、明日28日発売のゼロサム最新号でこれから話がどちらに進むのか、ますます楽しみになってきました。

ちなみに普通版の方の表紙も素敵なのでこちらもどうぞ。



 

特装版の特典小冊子は、リゲインの即位を画策する貴族たちの話。メインストーリーとは別にこういう描写があると宮廷の雰囲気もまた少しわかりやすくなるという感じでした。

こちらもよろしく

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