「福音派」はレーガンの「保守革命=古き良きアメリカを取り戻す」とともに生まれた/やまびこ道路など/文化のエンタメ化と富裕層向けアレンジ/高市総理の15年前の服
Posted at 25/11/15
PermaLink»
Tweet
11月15日(土)晴れ
今朝は比較的晴れている割には気温が高く、今の所の最低気温が3.6度。朝ガソリンを入れたり仏花を買いに行ったりするために車で出かけた時もフロントガラスは凍結していなかった。そのせいか、職場に出て少し用事をして西友まで走って仏花を買い、天気が良ければ富士山が見える道を走ったのだが山と山の間に雲が屯っていて富士山は見えなかった。ふだんは隣町まで走るのだが今朝は時間がないなと思い、またパンもまだあったから国道に出て左折して右折、近めのガソリンスタンドで安くできそうなところに行ったのだが、割引チケットを使ったらリットル162円で入れられたので、高市効果は出てきたのだろう。この値段はかなり久しぶりである。
別ルートを通って実家に戻ったが、まあふだん通らない時間に通らない道を通ると気分転換にはなるなと思った。
***
昨日は午前中母を南松本の病院に連れて行く。洋服の具合が良くなくて尻が痛いというので途中何度か直したりしたので余裕を持って出かけたつもりがギリギリになってしまった。診察中も結構ばたばたして施設に電話して薬の残量を確認したり、いろいろ。モールの中の病院なので屋内駐車場からエレベーターに乗ってすぐ医院に行けるのは便利なのだが、そこからトイレまでが遠いので車椅子を押して何度かダッシュした。また車椅子用トイレを健常者が使っていることで塞がってしまうことが時々あり、その辺はちょっとモラルの問題かなという気はする。お昼ご飯を買ったり母が食べたいというおにぎりやアンパンを買ったり、施設に頼まれていたトイレットペーパーやシャンプーの詰め替えなどを買ったり。あまりよく行くモールでないので商品の場所がわからず、結構右往左往して、11時半から診察だったのだがモールを出たのは1時を過ぎていた。
先日通った踏切が閉鎖されていて、ネットを見ると迂回路が大混雑とあるので少し覚悟して出たのだが、南松本の駅前を通ってやまびこ道路に出るところが割合スムースで、やまびこ道路もそんなに運んでなかったので並柳の交差点を直進していつもの道に出て、そのあとは割とすんなりとかえれたのだが、下道だからそんなにスピードは出せないので施設に到着したときには2時を過ぎていて、母の昼ごはんに間に合わなかった。結局買ってきたものを食べてもらうことになった。
ちなみに、やまびこ道路とは1978年の長野国体、通称「やまびこ国体」の時に作られた道路で、他の県で「国体道路」と呼ばれるものに相当する。当時私はまだ三重県にいたが、卒業校の同級生のボート部員が諏訪湖での大会に動員されたということを言っていた。
***
https://digital.asahi.com/articles/ASTCG22N8TCGUTFK00LM.html
閣僚給与削減問題だが、私は基本的に反対なのだけど、高市首相が「日本の最高級の服を着て外交の舞台に立ってほしい」と言われて「15年前のものを引っ張り出してきているから大丈夫だ」と答えていてすごいと思った。私は腹が入らない。質問した委員も「総理は良いかもしれませんが太ってはいらなくなる人もいるんです!」とたたみかけてもらいたかった。脱線である。
***
東京国立博物館の件では、野口さんのこのツイートが問題の本質を突いているような気がする。
https://x.com/NoguchiMin10356/status/1988817301022601398
従来の「文化を愛し継承する」という考え方から「文化を消費する」という考え方が強まった結果、「エンタメ化」が進んでいることは事実で、そのことによってその分野にお金が入るようになったのは事実だろう。特に刀剣関係や歴史関係にはそうした実入りは増えるようになったと思う。もう一つは富裕層、特に海外の富裕層向けの配慮、お金を落とさせるための工夫みたいなものが進んできて、「誰でも気楽に入れる博物館・美術館」というものからは遠ざかっている感じはする。もちろん文化というものはある程度敷居の高いものではあるが、それは「金がないと入れない」というものでは少なくとも戦後はなかった。
「日本の文化的な強さは裾野の広さにある」というのは小野田大臣の言葉だが、全くその通りであり、誰でも気軽に入れるニュートラルなミュージアムがあるという真の贅沢さは維持してもらえるとありがたいなとは思う。
***
「福音派」。1980年8月21日にテキサスで開かれた福音派による「宗教円卓会議」に共和党の大統領候補だったレーガンが登壇し、
「この会合は無党派の会合であるのはよくわかっています。ですからみなさんが私を候補者として公に支持できないのもわかります。ですが、私がみなさんの活動を公に支持しているということは知っておいてください」
と演説し、宗教者たちも観衆もレーガンに対する熱狂に包まれたのだという。
「退廃するアメリカに必要なのは世俗主義ではなく、古き良き宗教であり、古き良き憲法であると語り、17世紀のピューリタン指導者ジョン・ウィンスロップと聖書の言葉を引き、アメリカは「丘の上の街」であり世界に光を照らさなければならないという。そして、聖書にこそ現代社会が抱えるあらゆる問題の答えがあると結ぶ。会場は総立ちとなり、惜しみない拍手がわきおこった。」
「丘の上の街」とはウィンスロップの言葉で「神の祝福に満たされた世界の模範となる町=アメリカ」である、という背景があるのだが、さらに遡るとマタイによる福音書第5章第14節にある「あなたがたは、世の光である。山の上にある町は隠れることができない。」からきているわけだが、つまりはアメリカは世界の模範=世の光となる国家であり、「丘の上の街」のように誰からも仰ぎ見られる存在である、という意味に繋がるのだと思う。
これはつまり、「キリスト教徒としての使命(感)と誇り」を「私(レーガン)は理解している」と聴衆の前で宣言したということであって、彼に熱狂的な支持が集まったのも当然だろうと思うし、彼を支持するという形で「南部の原理主義者、北部の福音派、南部バプテスト連盟、ペンテコステ派など」多種多様な保守的キリスト教団体を生み出した一つの契機となり、また彼らと共和党の蜜月を象徴的に表現したイベントになった、ということのようだ。
「宗教円卓会議」でググってみると最初に宗教右派として政治化した団体としてクリスチャン・ボイスが出てくるのだが、その後に出てきた団体としてモラル・マジョリティ、宗教円卓会議、全米キリスト教連合が出てくる。クリスチャン・ボイスはヘリテージ財団と関係が深いようだが、今では勢力は失われているようで、この本で取り上げられているモラル・マジョリティがやはり重要なのかなとは思う。
昨日も書いたが福音派・宗教右派という政治勢力は「声なき声」として広く存在したのが、それを政治的存在にしたのが1960−70年代に進んだ進歩主義的な世俗主義に対して自分たちの文化を守ろうとして結集して行ったいくつかの団体だった、ということで、その結集にはいくつかの契機があったわけだけど、この「宗教円卓会議」は確かに一つのメルクマールになるイベントだったのだなと思った。
そして政治の世界にとっても宗教右派の支持を得た共和党およびレーガンは地滑り的な勝利を収め、彼の掲げる「古き良きアメリカ」のビジョンは人々を魅了し、その中で「福音派」もまた誕生したのだ、という説明は腹に落ちるものがあった。88/291ページ。
「福音派」読んでいる:福音派という新しい有権者層の掘り起こしと「モラル・マジョリティ」/東京国立博物館の改修計画の炎上
Posted at 25/11/14
PermaLink»
Tweet
11月14日(金)晴れ
今朝の最低気温は1.2度。それでも、思ったほどは車のフロントガラスは凍っていなかった。フロントガラスが凍結するための条件が温度だけではないのだろうなと思うが、同じ地域でも場所による差異もあるのだろうなと思う。
***
「福音派」、あまり読み進められていないが第2章の第2節「モラル・マジョリティの誕生」まで。ファルウルは全米で放送される有名な牧師になっても、基本的に彼自身の考えとしては政治的な動きを控えていたのだが、「クリスチャン・マニュフェスト」のシェーファーに電話で促されて政治行動を決意したとのこと。彼が中心となった「モラル・マジョリティ」が発足したのが1979年6月、レーガンが当選した大統領選挙の前年である。
当時の福音派は全米で4000万人いると言われていたが、そのうち45%は選挙で投票するのに必要な有権者登録さえしていなかったのだという。つまり彼らの関心は「来世」にあり、この世の政治に関心を持っていなかったということだという。逆に言えば、そういう「サイレント・マジョリティ」を掘り起こしたことが福音派の政治的な躍進につながったということなのだろう。
この辺りは、今回のトランプ当選の選挙でも、今まで政治に関心がなかった若い男性層の政治的関心を掘り起こし、そこで圧倒的な支持を得たことが当選の原動力になったとされているのに似ている。現代の日本でも国民民主党や参政党が無党派層や政治に関心のない層を掘り起こし、それが高市政権の高い支持率にもつながっていることにも似ているように思う。レーガンの当選は保守革命と呼ばれることもあるが、福音派の政治参加ということ自体がある種の革命だったということなのだろうなと思った。
***
https://x.com/JapanArchitects/status/1988079604238872598
東京国立博物館の改築計画がかなり炎上している。私も今のままがいいと思うが、多数の国宝を収めるある種の国家的な権威であるわけだし、伝えられている窮状を読むと、やはりもう少し国費が入るべきではないかと思う。静かで静謐な雰囲気、あるいは厳かな場所のあり方というものがわかりにくくなっている時代なのだろうなと思う。経済も大事だが、経済だけでは国は成り立たない。保守政権として、この辺りも立て直してもらえると良いなとは思う。
今朝は時間がないのでこの辺りで。
台湾有事に対する日中の認識差と中国への牽制/「福音派」:プロライフ運動の始まり/「昏姫と恋烏」:スピリチュアルとの地続き感のある「鬼滅の刃」系?恋愛マンガ/墓掃除など
Posted at 25/11/13
PermaLink»
Tweet
11月13日(木)晴れ
昨日は午前中会計の仕事をお願いする。その間にお墓の掃除、というか草刈りに出かけた。もう秋も長けてきたのでこれから草はあまり生えないと思うが、真夏の間にあまりやれずお盆もやりきれなかったので、父の命日の前に少しきれいにしておこうと出かけた。灌木のようなものが生えてしまうのが今年の特徴だった気がするが、鎌だけでなく山用の鋸なども持って出かけ、70リットルのゴミ袋一杯になる程度の草を刈った。少しはすっきりと墓参りできるようにできたかなとは思う。
会計をやってくれる人と少し話をしていたら、自分の知っている人の亡くなった話などしていたらその人もよく知っている人で驚かれた。知っている間柄の間は親しくしていても後になるとさまざまな関係性が残っている人の方がその人について知っているということはあるので、まあそんなことだよなあと思う。同級生とかそういう縁だと他の同級生から消息を聞く、みたいなことができるが属していた集団が違う人だと個人的な関係が切れるとしばらく経つともうどうしているのかわからなくなる。まあ、だからあまり考えなくて済む、みたいなこともなくはないわけだが、歳をとってくるとそういう縁でも少し懐かしく感じたりはすることもあるなあとは思った。
***
午後はツタヤに行って「Change the World」の3巻と「ダンス・ダンス・ダンスール」の31巻を買った。双方ともまた時間のある時にまとめて読み返してみたいなと思う。
旅先のツタヤでジャケ買いした大宙晃「昏姫と恋烏」だが、2巻まで読んだ。「最近の少女マンガ」みたいなものを読み慣れていないので、そうくるか、と思う展開が多くてなんというか面白い。少女マンガは必ず恋愛が描かれていなければいけない、みたいな話がモーニングの「箱庭モンスター」で書かれていたけど、こういう形母と思ったり。祓い師のJK少女と妖の家系のチャラい青年、というコンビ(バディ)だが、二人の関係性の進展が根暗の女の子の妄想っぽい感じがして面白いなと思った。
設定として面白いと思ったのは、「祟」になった「妖」がこの世への「未練の鎖」に縛られているのを主人公の持つ刀で断ち切る、という形になっていること。その妖の声が聞こえてしまうために気味悪がられて友達ができない、という話は「オーラの泉」の江原啓之氏の自伝でも読んだことがあった。霊が見えてしまうために本物の人間と見分けがつかず、危なくて車を運転できないとかそういう話だったが。
少年マンガ系のそういう話はなんというか作品世界の中で自己完結している感じがあるのだけど、少女マンガ系だとスピリチュアル系の霊媒師ドキュメントみたいな話との地続き感がある感じがして、それは男性と女性の感性の違いみたいなものから来るのかなとは思った。もちろん男性にも女性より、女性にも男性寄りの感性の持ち主はいるわけだけど。
「鬼滅の刃」「呪術廻戦」「カグラバチ」という流れから少女マンガを汲み取るとこうなるのかなと感じたりはしたが、この先の展開を楽しみにしたい。
***
「福音派」について書くのが止まっていたが、月曜日にそれなりに読んではいた。第二章の第二節、「モラル・マジョリティ」運動を生んだジェリー・ファルウルのところを読んでいて、ただそれについて書く気にならず、またその先を読む気もなくしていたのだが、ちょっと今日は読んだところをまとめようと思う。第2章の表題は「目覚めた人々とレーガンの保守革命 −1980年代-」で、第1節は「政治的な目覚め」となっている。
第1節で興味深かったのは、後に福音派の大きな流れを生むプロテスタント保守派は、元々人工妊娠中絶に強い反対意見は持っていなかったということがへえっと思った。むしろレイプ犯罪などで望まない子供を妊娠した場合などは中絶に反対しない姿勢の人がほとんどだったのだという。元々教義的に避妊や中絶を否定するカトリックとはその辺りが違うということになる。日本でも「生長の家」など強く中絶を否定する教団があるけれども、私はそれらと福音派との関係があるのではないかと思っていたところがあるので、これはかなり意外だった。
1960年代の公民権有働に反発して、キリスト教原理主義者たちは「キリスト教系私立学校」を創設していったのだという。その背景には公立学校での祈りや聖書朗読の禁止などのキリスト教否定的な動きも強くあったようだ。それらはそうした世俗主義への反発であり、黒人と同じ学校へ通うことへの反発もあったのだという。
連邦政府がそうした私立学校に対する税控除の優遇措置を撤廃するという政策を打ち出した時、全米で抗議活動が起こり、私立学校への税控除の優遇撤廃を撤回して、これが保守派の成功体験になったという。
簡単に言えば、元々原理主義者たちは政治に積極的ではなかったのだが、この例のように「原理主義者たちの生き方」が政府の干渉を排除することが難しくなってきたため、政治参加する必要が生まれてきて、それによって彼らが政治化していったのだという。
中絶問題に関しては、1973ロー対ウェイド判決で中絶禁止のテキサス州法を違憲とし女性のプライバシーの権利の一部とみなされるようになったのだが、原理主義の側では1971年に「クリスチャニティ・トゥデイ」誌で「プロライフ運動」への参加を呼びかけた頃から運動家したようだ。この運動の中心になったフランシス・シェーファーは「世俗的人間中心主義の裁判官による恣意的な判決によってキリスト教の価値観に反した法律が制定されている」と訴え、胎児の命を軽んずるなら高齢者や知的障害者や重病患者にも同様な危機が訪れるかもしれない、と警告するなど「生命を重んずる」ことを福音派の運動の柱にしていったのだという。
彼は1981年に「クリスチャン・マニフェスト」という文書を発表したが、ここでは「アメリカはキリスト教国である」と定義し、合衆国憲法をはじめとするアメリカの法体系はキリスト教を土台としているとして、現在のアメリカの諸問題は「キリスト教を離れてしまったことによる」という見解を出した。
これは「コミュニスト・マニフェスト(共産党宣言)」を意識したネーミングであり、1930年代にジョン・デューイらが参加して出された「ヒューマニスト・マニフェスト」も意識されているわけである。「クリスチャン・マニフェスト」は場合によっては政府への力を用いた抵抗もキリスト教に基づいた正当な力の行使だとするところが注目されるということのようだ。
ちなみに英語版Wikipediaによると「ヒューマニスト・マイフェスト」とは「ヒューマニズム」を「超自然的な啓示の主張に基づく従来の宗教」を超越し、置き換える「宗教的運動」として位置づけているのだという。この文書は15項目の信念体系を概説しており、世俗的な世界観に加え、「獲得欲と利益追求に駆られた社会」に反対し、自発的な相互協力に基づく世界的な平等主義社会を提唱しているのだそうである。これが出された1933年はフランクリン・ルーズベルトが大統領に当選しニューディール政策が始まり、「自由」の概念が「完全な自由競争」の状態だけでなく、貧しく成功する機会が与えられていない人に対して「機械の平等」を保障するようないわゆる現代につながる「新しいリベラル」の考え方が起こった頃であり、調べきれていないのだが、おそらくはこの「ヒューマニズム宣言」もそうした流れから出てきたものなのではないかという気はする。そうすると民主党左派的な思想のルーツになるマニフェストということになり、シェーファーたちがあえてそれに対抗する思想として「クリスチャン宣言」を出した、という流れも理解できるなと思った。
***
東京国立博物館の改築計画への反対とか、昨日も色々あったのだが、一つだけ。
台湾有事に対する日中の認識差について。
https://x.com/kenj0126/status/1988711769515364560
「台湾有事と存立危機事態をめぐる中国の反発は、かつて安倍元首相が「台湾有事は日本有事」と述べた際の反応と軌を一にする。日本が安全保障上の射程を地理的・機能的に説明しているのに対し、中国は主権や共同声明の基本的立場への侵害と捉える。木原官房長官が述べたように、日本に後者の意図はない。」
このツイートはなぜ日中で見解の差が生まれるのか、ということを端的に説明しているように思われる。
日本にとっては、中国が台湾に侵攻したら沖縄をはじめ地域防衛にも問題が生じるのは当然だし、また台湾周辺海域での中国海軍の活動によって日本の生命線である「シーレーン」に影響が出るのは避けられない、という意味で中国の台湾侵攻を「存立危機事態」と呼ぶのは当然なわけである。
中国の側は台湾を中国の領土であるとみなしているから、台湾信仰は内政問題であり、それに対して日本がコメントすること自体が内政干渉である、ということを主張しているわけである。
また、日本が明治以来獲得した朝鮮半島や関東州、また南満州鉄道などの利権を「満蒙は日本の生命線」と主張していたことを逆手にとって「存立危機事態と称して日本は侵略をおこなった」と高市首相の発言と意図的にダブらせる表現をとっているわけである。それがセッケン大阪総領事の血生臭い発言につながっているわけである。80年前の戦争や侵略の話を出したら日本は黙るとタカを括っているということもあるし、それで引っ込まなければさらに高市首相を「戦前日本と同じ軍国主義者である」と糾弾しようという考えも透けて見える。彼らにとっては錦の御旗を振りかざさなければならないほど、今回の事態はある意味追い詰められているところがあるのだろう。
高市首相の発言の意図はもちろん中国が台湾に武力侵攻したら「黙っては」いないぞという意思表示ではあり、トランプは意図的に発言を避けたが駐日大使も大阪総領事非難にほぼ同調しているので、日本としてはある程度「釘を刺す」ことに成功したと言えるだろう。そしてそれを中国側が面白くないと感じているのはまあ当然だろうと思うし、公明党や立憲民主党など中国寄りの政党に対してさらに働きかけを強めてくる可能性もあるなとは思った。
この問題は今回に関してはこれ以上は広がらないような気がするが、セッケン氏に関しては何かはあるかもしれない。少なくとも両者ともこれ以上大ごとにする意識はないようには感じる。
地始凍/仲代達矢死去:シリアスな特権性が狂に至る求道の人/Suicaのペンギンと著作権/台湾有事と日本のスタンス/小野田大臣の爽快さ/山本拓氏の受勲と路線違いの政治家夫婦
Posted at 25/11/12
PermaLink»
Tweet
11月12日(水)晴れ
今朝の最低気温は0.2度。昨夜は少しお土産にもらった日本酒を飲んで、入浴してから寝たが、朝は布団の中が少し寒くて目が覚めたかんじ。羽布団に毛布を一枚かけているのだが、もう1枚増やそうと思う。今日は二十四節気では「立冬」の七十二候の「地始凍」。フロントガラスも凍っていた。世間的には晩秋であり、地域的には初冬の観もある。北海道ではもうかなり雪が降っているようで、短い秋はもう走り抜けてしまったということだろうか。
昨日はいろいろ部屋の片付けなどしたり。お昼前には銀行に行って資金の補充をしたり西友へ行って昼ごはんを買ったり。「福音派」も読んでいるのだがとりあえず感想は後で。今は日本の観察に関心が行っている感じ。いくつか書いてみる。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20251111-OYT1T50214/
仲代達矢さんが亡くなった。夜の報道ステーションでもこれがトップニュースだった。仲代さんは私が演劇をやっていた80年代にはすでに大御所という感じだったし、無名塾ももう始めていたと思う。私はあの頃の俳優の中では平幹二朗さん・山崎努さんというあたりが好きで、仲代さんや加藤剛さんはそんなに好きではなかったのだが、それはどういうことなんだろうと考えてみると、やはり仲代さんの纏うシリアスさみたいなものがあまり好きではなかったのかなという気がする。「シリアスさ」を纏う特権的身体というか。悪くいえば陰気だということだが、そっちの方向への「狂」のようなものを強く感じたことは確かだなと思う。ちゃんと見ているのは黒澤明監督の「乱」くらいだと思うが、追悼映像などを見ていても「陰気にギョロつく目」という表現は当てはまるなと思う。ずっと真摯で求道的であり続けた気がするが、もう少しそういう人ならでのフラみたいなものが見たかったなと思うのだけど、その道を選択しなかったのも彼の生き方なんだろうなと思う。ご冥福をお祈りしたい。
***
https://digital.asahi.com/articles/ASTCC1477TCCUTIL02ZM.html
Suicaのマスコットキャラであるペンギンが2026年度末で「卒業」するとのことで、ネットでは「なぜ?」の声が強い。マスコットキャラといえば最近ではミャクミャクが評判になったが、Suicaのペンギンの人気もいまだに高い。「鳥のキャラクターを止めると企業が衰退する」というジンクスがあるらしく、JALやイトーヨーカドーの例が挙げられていたが、ペンギンはまあ鳥なんだが「スイスイ自動改札を通過できるICカード」を使いこなすペタペタ歩くペンギンという発想は割と非凡なものがあったように思う。
https://www.advertimes.com/20251111/article521499/
このキャラは元々絵本作家の坂崎千春さんの絵本から取られたものだということで、そういう点でも著作権的に難しいところがあった、という話もある。ただこのキャラクターはそうしたところに関わらないある種のJR東日本の財産でもあるし、何億円出してでも買い取るに値するものだ、という考えもあるのではないかという気はした。
***
https://news.yahoo.co.jp/articles/407b60c3913ca210e680ec03150f44151248d1b7
高市首相の「台湾有事と存立危機事態」発言をめぐるやりとりがかなり活発になってきた一方、中国の大阪総領事の「高市首相の首を斬れ」発言が問題になり、「ペルソナノングラータに指定して追放すべきではないか」といった意見も出てきている。トランプ大統領は今のところ静観の構えのようだが、高市首相自身も目立った発言はしていない。中国側は満洲事変の発端となった柳条湖事件を引き合いに出して高市発言を批判し、結果的に総領事発言を擁護しているわけだが、少なくともいい印象は与えないだろう。黙殺して総領事に変な(反日の)勲章を与えない方がいい、という意見もあるが、どのように推移するかは見守りたい。
ただ、台湾有事になったら当然ながらシーレーン防衛が危うくなり、そうなると日本経済が存立危機事態に陥ることは間違いない。中国側の戦略として、日米が台湾危機事態において協力するかどうかが大きな分岐点だと見ているようだから、日本側も無視はしないというシグナルは必要なことだと思う。まあ言葉の応酬で済めば良いのだが、中々に中国の侵略の生臭さはきな臭い雰囲気を呼んでいる。
引用したYahoo!の元記事が朝鮮日報(韓国の保守系紙)なのは特に意図はないが、日中両国を等距離的に見ている感じがこの文章の内容には相応しいかなと引用した後で思った。
***
小野田大臣の記者会見に関するツイートを3つ。
https://x.com/mi2_yes/status/1988064624097529878
https://x.com/mi2_yes/status/1988061999402807595
安倍元首相暗殺事件に関する問題をめぐって。小野田大臣は「テロリストには何も与えるな。名前もだ」という姿勢を強調しているが、これはテロ対応の原則だと思う。岸田内閣での対応が酷すぎたのは今更だが、統一教会がどうたらというのは暗殺という行為の重大性とは切り離して考えるべきだし、統一教会に対する社会的政治的制裁はすでに進んでいるのだから今後は特に考慮する必要はないと思う。また元首相が凶弾に倒れるという痛ましい事件については日本の民主主義を守る上でも忘れるべきではない事件だから、小野田大臣のコメントは全く適切だし今までの対応がおかしかったというべきだろうと思う。
https://x.com/sxzBST/status/1988084613638688951
こちらはオタクならではの視点が反映されていてネットでは共感を呼ぶだろうと思った。まさに日本のコンテンツの強みは対価を求めない膨大な人たちがいるという裾野の広さにある、というのはその通りだし、そういう人たちがAI学習を拒否するというスタンスを尊重する姿勢を政府が明確に示したのは良かったと思う。問題は山積しているとは思うが真っ当な姿勢を貫いて頑張ってもらいたい。
***
https://x.com/don_mai_don_mai/status/1988144391287173576
高市首相の夫君の山本拓氏が勲章を受章し、天皇陛下から親授されるとともに高市首相から勲記を手渡される場面。これはなかなかほっこりするなと思う。政治家夫婦というと「同志」という感じが強いが、彼らは「政治的路線の食い違い」で一度離婚していて、その後再婚している。政治的路線の違いを越えてでも夫婦でいたい、というのはなんというかほんわかとする話だし、お互いがお互いを貫いて妻の方がついに日本で最初の女性総理大臣になったというのも感動的な話だなと思う。日本はそういう国だというのを再び認識できたのは良かったなと思った。
こちらもよろしく
文化系ブログ
アート、小説、音楽、そして映画NEW
史読む月日
歴史のこと、歴史に関わる現代のことなどNEW
個人的な感想です(FC2版)
個人的な感想です(ameblo版)
漫画・アニメの感想などNEW
私のジブリ・ノート
ジブリ作品の感想・考察などNEW
生きている気がするように生きること
自己啓発、事業、ガジェットメモ、服装メモなどNEW
Feel in my bones
心のこと、身体のこと、その他のこと、そしてつぶやきNEW
スタジオみなみ
小説作品サイト
少女タイラント(仮)
小説の断片ブログ
プロフィール
author:kous37
sex:male
KOBOストアで買う
カテゴリ
- Bookstore Review (17)
- からだ (238)
- ご報告 (2)
- アニメーション (228)
- アフリカ関係 (1)
- アンジェラ・アキ (15)
- アート (441)
- イベント (8)
- コミュニケーション (4)
- テレビ番組など (74)
- ネット、ウェブ (142)
- ファッション (56)
- マンガ (1006)
- 創作ノート (679)
- 大人 (53)
- 女性 (23)
- 小説習作 (4)
- 少年 (32)
- 散歩・街歩き (306)
- 文学 (265)
- 映画 (105)
- 時事・国内 (507)
- 時事・海外 (339)
- 歴史諸々 (319)
- 民話・神話・伝説 (34)
- 生け花 (27)
- 男性 (32)
- 私の考えていること (1163)
- 舞台・ステージ (56)
- 詩 (83)
- 読みたい言葉、書きたい言葉 (6)
- 読書ノート (1622)
- 野球 (37)
- 雑記 (2288)
- 音楽 (213)
最近のエントリー
- 「福音派」はレーガンの「保守革命=古き良きアメリカを取り戻す」とともに生まれた/やまびこ道路など/文化のエンタメ化と富裕層向けアレンジ/高市総理の15年前の服
- 「福音派」読んでいる:福音派という新しい有権者層の掘り起こしと「モラル・マジョリティ」/東京国立博物館の改修計画の炎上
- 台湾有事に対する日中の認識差と中国への牽制/「福音派」:プロライフ運動の始まり/「昏姫と恋烏」:スピリチュアルとの地続き感のある「鬼滅の刃」系?恋愛マンガ/墓掃除など
- 地始凍/仲代達矢死去:シリアスな特権性が狂に至る求道の人/Suicaのペンギンと著作権/台湾有事と日本のスタンス/小野田大臣の爽快さ/山本拓氏の受勲と路線違いの政治家夫婦
- 同窓会を楽しむためには ー 人に会うための準備をすること
- 南山城の道の駅と月ヶ瀬梅林を訪ねてお茶と頼山陽の資料を買う
- 旅先にて
- 午前3時台に起きて高市総理の答弁準備を思うなど/「福音派」:期待を裏切ったカーターとハルマゲドンを説いたリンゼイ/松本市の道路事情/「2.5次元の誘惑」の明日はどっちだ
- 「福音派」を読んでいる:共産主義の脅威と核戦争の恐怖の中で戦後アメリカの市民宗教を確立しアイゼンハワー擁立など政治にも大きな影響を与えたビリー・グラハムという存在/目の疲れ
- 熊をめぐる動き:メガソーラー・朝鮮半島での分布・熊保護派の執念/「福音派」を読む:原理主義とディスペンセーション主義/三角コーンと靴墨/高市政権と参政党支持層/Fly me to the Moon
新着コメント
-
塩野七生が叩かれる理由
- Playing online blackjack for a living-03/26
- Online blackjack fun-03/26
- 7drugs priligy-03/26
- Sildenafil-03/26
- Priligy-03/26
月別アーカイブ
- 2025年11月 (15)
- 2025年10月 (31)
- 2025年09月 (31)
- 2025年08月 (31)
- 2025年07月 (31)
- 2025年06月 (30)
- 2025年05月 (30)
- 2025年04月 (30)
- 2025年03月 (37)
- 2025年02月 (28)
- 2025年01月 (32)
- 2024年12月 (31)
- 2024年11月 (30)
- 2024年10月 (31)
- 2024年09月 (28)
- 2024年08月 (31)
- 2024年07月 (32)
- 2024年06月 (30)
- 2024年05月 (31)
- 2024年04月 (31)
- 2024年03月 (31)
- 2024年02月 (30)
- 2024年01月 (31)
- 2023年12月 (31)
- 2023年11月 (30)
- 2023年10月 (31)
- 2023年09月 (32)
- 2023年08月 (31)
- 2023年07月 (32)
- 2023年06月 (31)
- 2023年05月 (31)
- 2023年04月 (30)
- 2023年03月 (31)
- 2023年02月 (28)
- 2023年01月 (31)
- 2022年12月 (32)
- 2022年11月 (30)
- 2022年10月 (32)
- 2022年09月 (31)
- 2022年08月 (32)
- 2022年07月 (31)
- 2022年06月 (30)
- 2022年05月 (31)
- 2022年04月 (31)
- 2022年03月 (31)
- 2022年02月 (27)
- 2022年01月 (30)
- 2021年12月 (30)
- 2021年11月 (29)
- 2021年10月 (15)
- 2021年09月 (12)
- 2021年08月 (9)
- 2021年07月 (18)
- 2021年06月 (18)
- 2021年05月 (20)
- 2021年04月 (16)
- 2021年03月 (25)
- 2021年02月 (24)
- 2021年01月 (23)
- 2020年12月 (20)
- 2020年11月 (12)
- 2020年10月 (13)
- 2020年09月 (17)
- 2020年08月 (15)
- 2020年07月 (27)
- 2020年06月 (31)
- 2020年05月 (22)
- 2020年03月 (4)
- 2020年02月 (1)
- 2020年01月 (1)
- 2019年12月 (3)
- 2019年11月 (24)
- 2019年10月 (28)
- 2019年09月 (24)
- 2019年08月 (17)
- 2019年07月 (18)
- 2019年06月 (27)
- 2019年05月 (32)
- 2019年04月 (33)
- 2019年03月 (32)
- 2019年02月 (29)
- 2019年01月 (18)
- 2018年12月 (12)
- 2018年11月 (13)
- 2018年10月 (13)
- 2018年07月 (27)
- 2018年06月 (8)
- 2018年05月 (12)
- 2018年04月 (7)
- 2018年03月 (3)
- 2018年02月 (6)
- 2018年01月 (12)
- 2017年12月 (26)
- 2017年11月 (1)
- 2017年10月 (5)
- 2017年09月 (14)
- 2017年08月 (9)
- 2017年07月 (6)
- 2017年06月 (15)
- 2017年05月 (12)
- 2017年04月 (10)
- 2017年03月 (2)
- 2017年01月 (3)
- 2016年12月 (2)
- 2016年11月 (1)
- 2016年08月 (9)
- 2016年07月 (25)
- 2016年06月 (17)
- 2016年04月 (4)
- 2016年03月 (2)
- 2016年02月 (5)
- 2016年01月 (2)
- 2015年10月 (1)
- 2015年08月 (1)
- 2015年06月 (3)
- 2015年05月 (2)
- 2015年04月 (2)
- 2015年03月 (5)
- 2014年12月 (5)
- 2014年11月 (1)
- 2014年10月 (1)
- 2014年09月 (6)
- 2014年08月 (2)
- 2014年07月 (9)
- 2014年06月 (3)
- 2014年05月 (11)
- 2014年04月 (12)
- 2014年03月 (34)
- 2014年02月 (35)
- 2014年01月 (36)
- 2013年12月 (28)
- 2013年11月 (25)
- 2013年10月 (28)
- 2013年09月 (23)
- 2013年08月 (21)
- 2013年07月 (29)
- 2013年06月 (18)
- 2013年05月 (10)
- 2013年04月 (16)
- 2013年03月 (21)
- 2013年02月 (21)
- 2013年01月 (21)
- 2012年12月 (17)
- 2012年11月 (21)
- 2012年10月 (23)
- 2012年09月 (16)
- 2012年08月 (26)
- 2012年07月 (26)
- 2012年06月 (19)
- 2012年05月 (13)
- 2012年04月 (19)
- 2012年03月 (28)
- 2012年02月 (25)
- 2012年01月 (21)
- 2011年12月 (31)
- 2011年11月 (28)
- 2011年10月 (29)
- 2011年09月 (25)
- 2011年08月 (30)
- 2011年07月 (31)
- 2011年06月 (29)
- 2011年05月 (32)
- 2011年04月 (27)
- 2011年03月 (22)
- 2011年02月 (25)
- 2011年01月 (32)
- 2010年12月 (33)
- 2010年11月 (29)
- 2010年10月 (30)
- 2010年09月 (30)
- 2010年08月 (28)
- 2010年07月 (24)
- 2010年06月 (26)
- 2010年05月 (30)
- 2010年04月 (30)
- 2010年03月 (30)
- 2010年02月 (29)
- 2010年01月 (30)
- 2009年12月 (27)
- 2009年11月 (28)
- 2009年10月 (31)
- 2009年09月 (31)
- 2009年08月 (31)
- 2009年07月 (28)
- 2009年06月 (28)
- 2009年05月 (32)
- 2009年04月 (28)
- 2009年03月 (31)
- 2009年02月 (28)
- 2009年01月 (32)
- 2008年12月 (31)
- 2008年11月 (29)
- 2008年10月 (30)
- 2008年09月 (31)
- 2008年08月 (27)
- 2008年07月 (33)
- 2008年06月 (30)
- 2008年05月 (32)
- 2008年04月 (29)
- 2008年03月 (30)
- 2008年02月 (26)
- 2008年01月 (24)
- 2007年12月 (23)
- 2007年11月 (25)
- 2007年10月 (30)
- 2007年09月 (35)
- 2007年08月 (37)
- 2007年07月 (42)
- 2007年06月 (36)
- 2007年05月 (45)
- 2007年04月 (40)
- 2007年03月 (41)
- 2007年02月 (37)
- 2007年01月 (32)
- 2006年12月 (43)
- 2006年11月 (36)
- 2006年10月 (43)
- 2006年09月 (42)
- 2006年08月 (32)
- 2006年07月 (40)
- 2006年06月 (43)
- 2006年05月 (30)
- 2006年04月 (32)
- 2006年03月 (40)
- 2006年02月 (33)
- 2006年01月 (40)
- 2005年12月 (37)
- 2005年11月 (40)
- 2005年10月 (34)
- 2005年09月 (39)
- 2005年08月 (46)
- 2005年07月 (49)
- 2005年06月 (21)
フィード
Powered by Movable Type
Template by MTテンプレートDB
Supported by Movable Type入門


