晩秋の不安定な気候と朝の忙しさ/「ジェンダー学は学問か」論争をめぐって/宇宙の最大の謎の一つ「ダークマター」解明の糸口になるか

Posted at 25/11/28

11月28日(金)曇り

夜中にかなり雨が降ったようだ。昨日の帰る前、8時ごろはそれなりに降っていた感じがするのだが、帰る時にはほぼ止んでいた。布団の中は割合暖かかったが、起きてiPhoneで気温をみると10度を超えている。驚いたが、暖気が入ってきているということなのだろう。天気図を見ると、これから寒冷前線が通過する感じなので夜が明けた後にまだ下がるという感じになるのかなと思う。それでも最低気温の予想は6度なので、ここのところに比べればかなり暖かい朝だということは言える。

昨日はいろいろごたごたと考え事をしている時間が長かったが、午前中にブログ/noteを更新するのが遅くなって少し片付けなどして昼食を取り、午後も出かけようと思っていたけれどもなんとなくぐずぐずしているうちに時間がなくなって作業場に行って漫画の整理などした。

ここまで書いてから出かけて少し離れたセブンに週刊漫画Timesを買いに行ったのだが、手に取ってみたら内容が先週読んだものだったのであれっと思って確認したら合併号だった。そういえばそうだったかなと思う。セブンイレブンアプリでコーヒーが50円引きというクーポンがあったのでそれを使ってカフェラテを買う。車を走らせてお城の近くのファミマに行き、スペリオールを買う。25日もアフタヌーンをなかなか探し出せなかったが今朝もスペリオールのあることになかなか気がつけなかった。

職場に出てゴミを処理していたら、22リットルのゴミ袋がないことに気がつく。掃除をしてくれる人に言われていたのに忘れていたのだった。今買っておこうと思って近場で買おうと駅の裏のファミマに行ったら45リットルしかなく、その近くのセブンに行ったらここでもそうだった。当市では燃えるゴミは有料化されているのでなるべく実情に合わせた袋を買いたいのでもう一度スペリオールを買ったファミマに行ったらあった。最初から一緒に買えばよかったわけだが。Suicaで買おうとしたら現金出ないとダメだと言われて車まで財布を取りに戻ることになった。職場に戻ってゴミを片付け、ようやく実家に戻る。気がついたら7時をだいぶ過ぎていた。

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ジェンダー学についてしばらく前から「あんなものは学問とはいえない」という主張がネットで行われていることについて、当事者か関係者の学者から反論が行われていたのだけど、それに対していくつかの論点があると思った。一つは、ジェンダー学の論文での議論の粗さが目立つということ。私は歴史学専攻だという音もあり、歴史関係の記述での妥当とは思えない事実認定や解釈について疑問を持つことが多く、そこが「あんなものは学問ではない」と感じる大きな理由の一つであったけれども、そのあたりで精緻な議論をしているものもあるのだろうか。上野千鶴子氏が「歴史学は史料批判絶対主義だが、史料の書き手はほぼ男性に独占されてきたから史料のみに頼る歴史は真の歴史とはいえない」みたいな理屈で史学界を屈服させたことがあるということはどこかで読んだが、だからと言って勝手に話を作っていいというものではないので、最近では歴史学者の側でもその辺りに対する批判を強く持っている人は多いのではないかという気がする。

二つ目は、現実問題としてジェンダー学とフェミニズムの運動が陸続きというか不可分であるということで、ジェンダー学の思弁がフェミニズム運動に影響を与え、フェミニズム運動の利害がジェンダー学に反映されるという実態があるように思われる。これはもちろんマルクス経済学やマルクス主義系の学者の議論が社会主義・共産主義運動に影響を与え、社会主義運動や社会主義国の政治家(ほぼ独裁者)がマルクス主義系社会科学等に影響を与えるという形と相似形だろう。これはアメリカで言えば福音派系の神学が福音派の運動に影響を与え、福音派の政治的利害が学者の議論に影響を与える構図と基本的には同じものだろうと思う。社会主義国家が生物学におけるルイセンコ学説などに、福音派の主張が進化論の否定などにつながっているように、こうした思想はしばしば科学的事実の観察と反する主張を行うわけで、その辺りのところも気になるところである。

三つ目はジェンダー学を成り立たせているテーゼそのものの是非の問題があるわけだが、この辺りについてはアンチフェミニズムの論客の人々のいろいろな論考があり、そういうものをこちらとしてそんなにちゃんとは読んでいないのでここでは書かないが、ネオプラトニズムが近代にオカルトとして再発見されたり、マルクス主義が冷戦の終結によって見捨てられてのちもそこから汲み出せるものを読み取ろうとしたりする人たちがいるのと同様、ジェンダー学ももしアメリカのように政府の研究援助の対象から外されてもフェミニズム的な不満やそれを利用しようとする人たちがいる間はそう簡単に廃れることはないだろうなとは思う。

社会主義でもプルードンが「財産とは窃盗である」と言ったりマルクスが「ヨーロッパを共産主義という妖怪が徘徊している」と言ったり、ある種のセンセーショナリズムによる先導が行われてきたわけだが、福音派でもディスペンセーション主義など「最後の審判の具体的日程」みたいなものやフェミニズムでも「男性皆殺し協会マニフェスト」など議論を呼ぶこと自体が目的のような文書が出されているわけで、こうしたある意味常識的視点から見れば常軌を逸しているような議論にどう対処していくかというのは学問や社会の正気が問われているようなところがあるようには思う。

ただこうした議論が盛んになった背景にはいわゆる「言語論的転回」と言われる従来の学問体系の成り立ちそのものを否定しようとする動きに席捲されたという面もある。この辺りの話もそんなに追い切れてはいないので今日のところはこういう問題があると書き留めておくだけにしておこうと思う。

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宇宙の成り立ちに深く関わるのに今まで謎とされてきたダークマター(暗黒物質)について、東大の研究で観測されたかもしれないという発表があり、これはすごい話だと思ったのだが、欧米では報道されたのに日本のメディアではほとんど取り上げられていないのだという。

https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/10983/

https://x.com/tomonoritotani/status/1993662409329025448

ダークマターというのは観測によって「あることはほぼ確かなのだが観測ができず観測的な実在を証明できない」という難問だったわけだが、「これが事実ならば、暗黒物質の正体がWIMPであることが判明すると同時に、現在の素粒子物理学の標準理論に存在しない新粒子が発見されたことになります。」ということになるわけで、これはすごいなと思った。

私も暗黒物質というものがどういう存在なのかはいろいろな本を読んで想像をめぐらしてはいたが、これで解明が進むと宇宙の秘密にもう一つ迫れるということになるので楽しみだなと思っている。続報を期待したい。

「人間性の破壊が深刻なレベルにまで及んでいる中国」とどう付き合っていくのか/「武装中立」の夢を見る韓国と「台湾の次」を警戒する日本/晩秋と初冬の境目

Posted at 25/11/27

11月27日(木)霧

今の気温は0.7度。朝起きたのは5時過ぎだったが、寝床の中でも少し寒かった。羽毛布団の下と上に毛布をかけているのだが、上の方を厚めにした方がいいかなと起きてから思ったのでそのように直しておいた。明るくなるのが遅くて、6時でもまだ真っ暗という感じ。それは天気がいまひとつだからなんだろうなと思う。冷え込んでよく晴れた朝ならもう少し明るい感じがする。それでもすでに0度近くまで下がるようにはなっているのだけど。まだ空気中の湿気が多いということなのだろうと思う。例年のことなのだが、今年は特に晩秋と初冬の境目のような時期に対する観察の意識が強い感じがする。

昨日はいろいろ懸案を片付けて行って、地震保険の控除証明書が届いてないのを確認して再発行を頼んだり、クリーニングを取りに行ったり、銀行でお金を移したり、セブンでSuicaをチャージしたり、お礼状を書いて出しに行ったり。母から電話があってズボン下がないから買ってくれという。まず箪笥の中を見ようと思って見てみたらあったので施設に届けに行ったり。一度外出して出直すのは大変なので一度に全部片付けようと思うのだが、そうすると結構仕事が多くなる。昨日も昼前の外出の時には結局銀行に行くのを忘れていて、昼食を摂ってから再度出かけた。なんだか出るのがもたもたしてしまってギリギリの時間になってしまった。

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東アジア情勢をめぐっていくつか。

https://gendai.media/articles/-/160748

阿古さんは現代中国研究の第一人者と言って良いと思うのだが、その方が

「中国政府による言論空間の遮断を意識した上で、日本のリスク管理や国益について考え、議論しようとする人が日本にはほとんどいない。私はそのことに危機感を持ち、この文章を書いている。

現在の日本における中国理解はあまりにもお粗末な状態だ。政府、国会議員、メディア、国民の各層において、中国の動きを捉える上で重要な情報、中国政府とその関係機関による言論統制の特徴、彼らが作り出すナラティブ(語り)を把握できていない。」

と警鐘を鳴らしておられるのは大変深刻な事態だろうと思った。そして、重要な点として

「1 中国政府のナラティブには意図がある。それに煽られると日本は国益を損なう。
2 日本にとっての正論は現在の中国政府には通じず、日本は中国のナラティブを覆すナラティブを生み出す必要がある。
3 人間性の破壊が深刻なレベルにまで及んでいる中国と同じ土壌で闘おうとせず、弱みを握られることを避け、淡々と日本自らの目的と利益を見据える。」

三つをあげておられるのは政府及び交渉関係者にも十分意識してもらいたいと思った。2つ目の問題、つまり「日本政府が主張している正論は現在の中国政府には通じない」という点に関しては、現在の中国政府の対応を見ていればはっきりすると思うし、「中国のナラティブを覆すナラティブを生み出す必要がある」ということに関しても、中国側が言いがかりとも取れるような「再軍国主義化の懸念」や「旧敵国条項」などについてぶつけてきたり、また「旧連合国同士」みたいな考え方で日本を飛び越えてトランプとこの問題について話し合おうという今までにない態度を見ていると、日本側も相当性根を据えて取り組まないとヤバい局面に来ているという感じは理解できる。

ただ、トランプとの交渉に関しては、今まで中国はずっと「台湾問題は国内問題であり国外勢力の容喙を許さない」と言ってきたわけだから、そこにトランプを引き込もうとしているのは明らかに「台湾の国際問題化」であって、彼らのロジックが矛盾してきているわけで、高市さんとしてはトランプと緊密に連絡を取ることで台湾有事を未然に防ぐことを続けていかなければならないだろうと思う。

日本としては国際社会に対して中国の主張を完全否定するような日本の国際平和への貢献を主張していくべきだし、台湾侵攻を否定せず「力による現状変更」によってバランスを崩そうとしているのは中国であるということははっきりさせていかなければならないだろう。

https://x.com/don_mai_don_mai/status/1993279142297846173

ただ正直、中国、特に習近平がなぜここまで高市総理を警戒しているのかはちょっとこちらにはわかりにくい感じはある。安倍さんのようにある意味なあなあにするのが上手い人ではないから高市さんのナラティブに中国側が神経質になっているということがあるのかもしれない。日本側からすれば侵略者は中国でありそのサイドが高市さんに怒るのは理不尽だとしか思えないが、ナラティブが安定しない人の存在そのものが脅威であると感じているとしか思えない。ただ、日本は民主主義国なので様々なタイプの指導者が出てくるのは当然なのだけど、その辺りも理解できてないんだろうなと思う。

つまりは台湾侵攻をすでに日程に上らせていて、それに日米や国際社会に対し文句を言わさない環境づくりを目論んでいたのが高市さんの発言によってパーになった、という被害者意識がある、という感じなのかなというふうには捉えている。

一番深刻だと感じたのが三つ目で、「人間性の破壊が深刻なレベルにまで及んでいる中国」という表現である。

例えばこんなツイートがあった。

https://x.com/litiantian511/status/1993509665687409112

こういう中国からの悲鳴のような声を我々はしっかり聞かなければいけないし、中国の民主化を声を大にして訴えていくべきなのだろうと思う。これはこの論考の中で阿古さんが「民主主義を普遍的な価値とする国際秩序を、権威主義が脅かす構造を何としても変えなければならない。」と言っている通りだと思う。

論考を読んでいて思ったのは、近年の中国における人間性の破壊については、冷戦時代の東ドイツやソ連、あるいはフランコ体制のスペインにおける密告政治を思い出せばある程度は理解できるように思う。今現在、我々が対しているのはそういう国なのだということは忘れてはならないと思う。

中国の民主化運動系の人たちが東京に「亡命」していてその知的コミュニティが形成されているという話は確か阿古さんが他のところで書いておられたが、こういう感じは辛亥革命前の東京が革命家たちの拠点になっていたということに類似している。これを日本政府はどう見ているのか、どうかかかわっているのかは極秘事項だとは思うが、当然その中には中国政府のエージェントもいるだろうし、王毅しやセッケン氏のように元々は親日だった人たちが何らかの弱みを握られたのか急に反日姿勢を強めることも考えられるので、なかなか扱いづらい人たちだろうとは思う。

また日本のアジア主義者たちの援助によって辛亥革命が成し遂げられ、以降も援助を惜しまない中で日本の大陸進出政策もあったがより反日的になって行った人々も多いわけだから扱いはさらに難しい。だからと言って追放してしまうのが得策かといえばそうとも言い難いところはあり、面白いカードではあるが使いこなせる人がいるのかという問題もあるなとは思う。

中国とどう付き合っていくのかというのは今後も難しい問題であり続けるだろうとは思う。

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もう一つの記事はこちら。

https://www.dailyshincho.jp/article/2025/11251601/

この記事を読んで率直に思ったのは、「中国が台湾に侵攻したら次は沖縄であり、次は日本本土だ」という危機感がある日本に対して、韓国はずいぶん中国に無警戒なのだなということだった。

韓国が中国に宥和的なのは歴史的に上位の国だとみなしてきた歴史的経緯がある、というのは感覚的には理解できるが、歴史的には中国側の干渉の激しかった時期は朝鮮半島にとってそんなに良い時期ではなかったのではないかという気はする。

韓国では「台湾有事は韓国と一切関係ない。米軍と一緒に戦う役割は日本に任せておけばいい」と考えられてきていて、韓国は米中間で中立等距離にありたいという理想があるというのはわからなくはない。というか、日本の左翼の人たちや、あるいは「アメリカにも中国にも従属しない独立した日本」を主張する保守派の人たちもまた、同じように考えているだろうと思う。

日本も小泉内閣以前まで、特に湾岸戦争以前には結構その考えが強く、アメリカの湾岸戦争や「テロとの戦い」におけるアフガニスタン戦争やイラク戦争において、「ショウ・ザ・フラッグ」とか「ブーツ・オン・ザ・グラウンド」という形で旗幟を鮮明にせよと促されたこともあって、より明確にアメリカサイドにつくようになったわけだ。このことについては当然ながら賛否はあるわけで、私も基本的には自国の戦力で独立を保つべき、つまり「武装中立」であるべきだとは思うが、米中の二大スーパーパワーが交錯する東アジア地域において、第3の勢力として自立することは現在のところは基本的に難しい。

だから米中対立を前提とした上で中国を牽制するためにアメリカ側に立つ、というのはまあ現状最も「よりましな」選択だろうとは思うわけで、その中で日本が存在感を示すために麻生元首相の「自由と繁栄の弧」であるとか安倍元首相の「自由で開かれたインド太平洋」という構想が出てきていたわけである。

90年台的などっちつかずの体制を取ろうとする勢力はやはり日本でもあって、その筆頭がアメリカの関税政策に対して「舐められてたまるか」と表現した石破前首相なわけだけど、そのために必要な防衛力強化について全くできる見通しはなかったから、まさに絵に描いた餅状態であったわけである。

韓国も基本的にそういう考え方であって、例えば湾岸戦争の時に「大量の資金を拠出した日本がクウェートから感謝されなかった」ことにショックを受けて「やはり戦力を派遣しなければダメだ」という転換をもたらしたような「アメリカに見捨てられる」という恐怖はあまり感じていないようである。逆に日本の左翼のように「中国に対するアメリカの戦争に「巻き込まれてしまう」」という恐怖の方が強いようだ。

だから彼らとしては在韓米軍の役割は朝鮮戦争以来の「北朝鮮の脅威」に備えるためのものという原則論に固執しているわけで、アメリカの対中戦略に韓国の基地が使われるということに強い警戒感を示しているということになるのだろう。

日本やヨーロッパなどの諸国はウクライナ戦争の顛末を見て、「ロシアや中国のような権威主義国は論理を超えて侵攻してくることがあり、その時に頼れるのは実質的にアメリカしかない」とすでに身構えているけれども、韓国は中国と「うまくやる」ことで米中対立から一歩引いた状態に自分達を置けるという考え方が変えられていないのだなと思う。

これはある意味沖縄と同じで、「米軍駐留の負担」というものが強く意識されているということはあるのだろうとは思う。

また、「朝鮮半島の歴代王朝は中国大陸の王朝の属国でした。韓国人も中国は好きではないけれど、「中国人の下で生きる」ことにさほど抵抗感はないのです。/この韓国人独特の対中感情は日本人には理解しにくい。米国や欧州のアジア専門家からも、この点に関し質問を受けることが多いのです。『韓国消滅』第3章第2節「従中を生む『底の浅い民主主義』」をご覧いただくと、少しはご理解いただけるかと思います。」

とあるけれども、実際に韓国人とこの件について話したことはないので彼らがどう考えているのかは実感としてはよくわからない。

韓国の強国化構想として、今最も重要視されているのは「原子力潜水艦の保有」ということのようなのだが、当然ながら中国は反対しているし、その理由として「核拡散条約に違反する」という主張をしているのだという。これも原潜は原子力機関を推進力としているだけで核爆弾とは関係ないから根拠がない主張だと思うのだが、例によって中国は何でも難癖をつけて反対しているということなのだろうなと思う。

アメリカもスタンスが定まらない韓国に対して原子力潜水艦建造を認めてこなかったわけだが、(この辺にどういう条約的根拠があるのかはよくわからないが)トランプは承認した。しかしそこにブランソン在韓米軍司令官の「台湾有事の際に韓国の米軍基地を戦略的に使用する」というものと引き換えだった、ということがはっきりとしてきて、韓国政界は揺れているということのようである。つまり、簡単にいえば「原潜は持って良いがその代わり明確にアメリカサイドにつけ」ということで、洞ヶ峠は許さないという、日本ではすでに数十年前に突き付けられていた話なわけである。

日本の対中感情はかなり悪化しているし、高市総理が中国と揉めてもむしろ支持率が上がるくらいなのだが、経済規模が小さくより中国に依存している韓国では対中関係悪化を国民が受け入れるかどうかということには悲観的な見方が強く、原潜も諦めざるを得ないのではないかという声もあるらしい。

そういう微妙なあたりにあって、この論考は非常に興味深かった。

中国に対する態度一つとっても韓国と日本の左翼との共通性は大きいなと思う。韓国では「中国の台湾侵攻の次は自分たち」という危機感が薄いというのは歴史的上下関係から来るようだが、日本左翼の場合は中国が共産主義国家だから正しい、ということなんだろうとは思うが、彼らの中国やロシアに対する謎の信頼感はいろいろと問題はあると思う。

もちろん、アメリカを100%信じていいかといえばそんなことはないわけで、もっとアメリカという国を深いところから知ることが日本にはこれからも必要なことだと思う。

その辺りで自分はアメリカの一大勢力である「福音派」についてもっと知っていく必要があるという動機を持っているのだけど、中国やロシアだけでなく韓国やその他の国、あるいはイスラムなどの宗教勢力についても、日本を取り巻く東アジアと世界の国際環境の中で、我々にとって、また世界の人々にとってより良い平和環境を作っていくための基礎的な理解の増進というものに取り組んでいく必要はあるなと思うのだった。

北大入試と嵐のライブ:仕事(就学)と趣味をめぐる諸問題/「ブルーピリオド」:「美術は仕事か趣味か」と「アーチストにとっての恋愛」/寒くてじめじめした朝

Posted at 25/11/26

11月26日(水)薄曇り

昨日は雨だったので一日なんとなく不活性な感じだったのだが、最高気温が6度くらいでやはり晩秋から初冬の気候だったのだなと思う。今朝の最低気温は今の所3.1度だが、最高気温は11度の予想なので少しは秋らしい感じになると良いなと思う。

今朝出かけた時の車のフロントガラスはやはり凍っていて、昨日の雨が凍結したのだろうなと思う。寒い割に少しじめじめした感じで、乾燥に困る冬とはまだ違う感じではある。昨日の雨も時雨という感じだろうか。今日は旧暦では10月7日、二十四節気は小雪、七十二候は虹蔵不見(にじかくれてみえず)である。

今本がないので確認できないが、易では旧暦11月の冬至が陰が極まり陽に転ずる一陽来復の「地雷復」の卦なので、旧暦10月の今は坤為地、全てが陰の季節ということになるが、確かにそんな感じはする。「ナルニア国物語」の「ライオンと魔女」で、「雪に覆われているがいつまでもクリスマスが来ない永遠の冬」という描写が出てくるけれども、今の時期はそんな感じだろうか。雪はまだ来てはいないけれども。

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ブルーピリオド、18巻まで所収のシリーズは森先輩を巡って「美術は仕事」か「美術は趣味か」というテーマで書かれていたのだけど、3年生になってのイベントで京都に見学旅行に行き、「恋愛」がテーマになっている。主人公の八虎本人はそういう気はないのだけど、2歳上の同級生・三木きねみに親切にしたことで恋心を抱かれたことを「しまった、やりすぎた」と思っていて、周りからもその関係に対して「付き合ってるの?」と思われたりしているのだけど、ここは入学の頃からそういうことは起こるかも、ということは思っていたのでそんなに不思議ではないけれども、きねみの方も恋愛依存的なところがあり、八虎は恋愛に割と冷めているので、ここがどういう展開になるかは割と興味深い。

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アーチストにとって恋愛とはどういうものなのか、みたいなことは多分かなり大きなテーマではないかと思うけど、シューマン夫妻のようにラブラブだとどちらかが亡くなるのが悲劇だし、高村光太郎のようにどちらかがおかしくなるケースも多いし、ダリのようになんだか宗教的になってしまう場合もある。作中でも世田介と親しかった岡本が恋愛を初めてすっかり絵を描かなくなったとか、どうなるんだそれみたいなこともある。こういうのはそれぞれ、自分に思い当たるところがあるから八虎がどういう経験をしどういうふうに考えていくのかはまた見たい感じではある。

個人的には森先輩がいいとは思うのだが、彫刻科に行った桑名マキも悪くないし、対等というのでは桑名さんかなとは思うのだが最近出てきていないのでそういう展開があるかどうか。八虎は男性でも女性でも基本的にフラットに見るタイプなので、鮎川龍二のような女装男性や橋田のような変人、ノーマークスのフジキリオのようなカリスマでも適度な距離感で付き合えるタイプではあるが、それゆえに恋愛のように相手にも自分にも踏み込んでいかなければならないことは苦手である気はする。どんな描かれ方をするのか、楽しみである。

2021年の対談では作者さんはまだ八虎の進路について悩んでいたようだけど、今は「作家になる」という目標がはっきりしたからこそ森先輩との間に軋轢?のようなものが起こったわけで、その辺りのところは参考になる。このインタビューは今読んだので連載だとどの段階に当たるかはちゃんと調べないとわからないのだけど、多分真田まち子をめぐるエピソードのあたりなんだろうな、という気はする。あの真田というキャラクターは本当に好きだったな。

https://bijutsutecho.com/magazine/interview/24850

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北海道大学の後期入試と元ジャニーズの嵐の札幌ドームでの公演が日程的にバッティングしてネット上でいろいろ喧しい議論が行われているのだが、これはつまり「就学から仕事」というライフイベントにおける重要な出来事と、アイドルの最終公演の観賞という「趣味の上での大事なイベント」、という二つの大規模イベントが日程的にバッティングし、波紋を呼んでいるということだろう。旧帝大では後期入試を実施しているところ自体が多くはなく、また前期入試で東大や京大に挑む人たちの再チャレンジ先としても重要になっている。また北大の入試は前期は東大のように学部進学先を決めない入試が大きい部分を占めているが、後期は最初から学部が決まっている入試になるので前期も後期も重要である。

「ジャニタレの追っかけ」というのはあまり詳しくはないが、教員をやっていたときに光Genjiの追っかけグループのリーダーという子がいたので彼女の話からいろいろ想像はしていたけれども、今の嵐の追っかけというのは社会人が多いようだから、金に糸目をつけず推しに注ぎ込むタイプの人たちが多いのかなという気はする。人数から言えばおそらく後者の方がかなり多いだろうから、北大受験を考えている人たちは早めに手を打っておく必要がありそうだが、共通テストの結果を受けてギリギリで決める人が多いのが国立の後期入試であるので、大学側にとっても受験生側から選択肢として消されてしまうリスクというのも大きいだろうなとは思う。

私のタイムラインではどうしても北大受験生に対して同情的な声が多くはなるのだが、趣味の次元である追っかけに命をかける人たちも少なくはないから感情的な議論になりそうではあるなとは思う。アイドルオタクというものは嵐のイベントなどがあると同じ都市で計画されていた全国的な学会を違う都市に変更するなどかなり影響があるものではある。

もともと趣味というもの、特にオタク的な趣味というものは周りに迷惑をかけることは少なくはないわけで、それに対して理解がある人ばかりではないし、特に利害が対立すると好き嫌いが絡むことだけに感情的なものになりがちで、時に悲劇的なことが起こる場合もある。

女性オタクがかける迷惑というのは集団でホテルを占拠するみたいな形になるが男性オタクだと例えば部屋がガンプラや趣味の本で埋め尽くされる、みたいな形になることが多い。そこで奥さんがいきなり全部捨てたりして、男性が落胆のあまり口も聞かず外にも出ず仕事にも行かなくなって生ける屍になってしまう、みたいな話も時々聞く。趣味もまた生きる喜びであることは確かだから、それを失うことを「大したことじゃない」というのもあまりに理解がなさすぎるという面はなくはない。

迷惑をかけるオタクと言えば常にあげられるのは「撮り鉄(鉄道写真を撮影する趣味の人)」なわけだが、彼らももう社会性もへったくれもない形で撮影に命懸けなわけで、これは犯罪被害者に取材が集中するメディアスクラムのカメラマンやパパラッチとも共通するが、写真というのは社会的に問題になりがちなものだなと思うけれども、それは逆に言えば写真というメディアの影響力の強さということでもあるなと思う。

女性のオタクは男性の好むエロは認めないが女性の好むエロは高尚である、みたいなジェンダー云々のよくわからない理屈を振り回して自分の趣味は肯定するが他人の趣味は否定する、というタイプの人が多いのが特に男性側の反感を買うわけだが、どんなものだろうと趣味は趣味、という視点がないと、表現の自由をめぐっても男性向けエロを否定する過激表現BL作家みたいな矛盾した存在(自分は矛盾していると思わないところが救い難い)が出てきて、男性側から「BLを規制すべき」「ゾーニングすべき」という声が上がってきたりするわけである。自分に有利に線引きをすることばかりを考えていては趣味に対して否定的な声が上がる危険があることは考えられなければならないだろう。

まあ趣味と就学の対立というのは基本的には不毛なものだし社会の分断を深める可能性はあるので、お互いに常識的なやりとりを心がけることが望ましいように思われる。

私などは言下に「入試の方が大事に決まってるだろ」と思う方だし、それがもちろん伝統的な考え方ではあるのだが、趣味の側も軽んぜられるから余計反発するという側面もある。嵐を否定されて激昂する女性の顔とガンプラを捨てられて精神的に死んだ男性の顔の両方を思い出しながら議論した方がいいんだろうと思っている。


現代の日中関係の始まりは天安門事件と江沢民政権と考えるべきではないか/東京から戻る

Posted at 25/11/25

11月25日(火)曇り

一昨日は神保町でカレーを食べて帰り、地元のOKで少しつまみなど買って家でバーボンなど少し飲んで寝た。昨日は午前中ブログを書いた後、出かける。地下鉄で大手町に出て丸善へいき、ミュシャのカレンダーと来年のスケジュール帳を買った。最初カレンダーがすごい値段で驚いたが、実家で使っている歳時記カレンダーも2000数百円することがわかって、とりあえず3000円以内という条件で買ったのだが、まあなんでも高くなったなと思う。特にこういうカレンダーは輸入品なので円安の時は高くなるのだよなとブツブツ。

それから呉服橋の交差点に出て日本橋の方に向かい、日本橋の丸善で少し本を見た後、高島屋の地下へ行って味噌カツ弁当を買った。鯖の塩焼きと迷ったのだが、これは当たりだった。まあ鯖の塩焼きは近所の能登屋でも買えるというのもあるが、味噌カツ弁当が副菜が充実していてとてもよかった。

一時期治っていたのさがまた吹き出物みたいなものが出てきて、引っ掻かないようにバンドエイドでも貼っておこうと思って薬箱から引っ張り出したら、どうも30年物くらいの感じで、うまく剥がれない。これはダメだと思い、ゴミを捨てにいくついでに裏のローソンに行ってキズ絆を買ってきた。滅多に使わないものはどんどん古くなる。人間も同じように古くなっているのだが、そのことは忘れている。

少し片付けをしたり洗濯をしたりして、4時ごろに家を出た。近くのローソン併設のスタンドまで車で走って給油。単価は159円で久々に160円を切った。ローソンでコーヒーと甘桃ティーラテホットを買って出発。車の中では例によってずっと「ふつうの軽音部」のセットリストを聞いていた。

道はどうだろう、休日の月曜のせいか、思ったほどは混んでいなかった。三宅坂の合流で少し渋滞し、西新宿の合流でもしばらく渋滞した。私の経験則として、首都高は完全な渋滞の時は左車線の方が速いのだが、割合流れている時は右車線の方が速い。時々判断が変わって車線変更を何回かしたが、全体的には右車線を走っている時間が長かった。石川PAについた時には5時半になっていたので、ラーメンを食べて夕食にした。

その後も順調に流れたが、圏央道との分岐のところで工事なのか事故なのか一時止められた。トイレに行きたくなって初狩でPAに入り、走っているとまた前の車がハザードランプをつけて止まりかけたのだが、路肩に停車している車があった。連休中はこういうことが結構多い。久しぶりに走っての車のトラブルが起こりやすいのだろう。そのあとは順調で八ヶ岳PAまではしり、トイレ休憩だけして地元のインターで降りてスーパーで朝食の買い物などして実家に戻った。8時ごろに到着し、少し日本酒を飲んで入浴して寝た。4週間ぶりの東京、2週間ぶりのドライブは楽しかった。

今朝は4時ごろ起きてしまい、布団の中で頭の中で自分のやりたいことを整理などしていたので、それを書き出していたらもう起きてもいいかという感じになった。6時ごろゴミをまとめて出しに行き、そのまま少し離れたセブンイレブンまで走ってジャンプとヤンマガを買い、お城の近くのファミマまで走ってアフタヌーンを買って帰ってきた。

***

朝考えていたことというのは、自分のやりたいことというのはどういうことか、というような話だが、つまりは「今日の世界」ということで、世界はなぜ我々が今見ているような世界になっているのか、ということについて明らかにしていきたい、というようなことである。

その中で最近の日中関係のぎくしゃくについて、今現在自分がどう感じているか、どう考えているかということについて整理していた。

現代の日中関係を考える上で、どこをスタートラインにするのが適切なのかということなのだけど、現代の人々にとってより実感的なスタートを定めるとしたら、1989年6月4日、天安門事件がスタートではないかと思った。

つまりは、江沢民時代・胡錦濤時代・習近平時代の三つの時期が現代の日中関係のベースではないかということである。この時代はつまりは中国が権威主義的な本質をあらわにした時代ということであり、冷戦構造の崩壊によってソ連と同じように東アジアの共産主義国家も民主化されていくのではないかという期待が裏切られて、経済発展に伴いより強固な形で権威主義国家が再建されていった時代ということになる。

日本はアメリカ市場での優位性を徐々に失っていき、中国経済への依存を深め、経済界の雰囲気が中国無しには成り立たないというのが醸成され、江沢民時代以降しばしば切られる反日カードに日本側が右往左往する、という時代である。

1989年は私自身は27歳だが、1980年生まれ、つまり現在45歳以下の人にとって、中国というのは物心ついた時にはすでに今の中国だった、という感じなのではないかと思う。

中国では反日の時代であり、日本ではその裏返しで嫌中・親台湾の傾向が強まった時期だった。ちょうど台湾で親日の李登輝が総統の座についたのが1988年であり、全島に戒厳令を敷き続けた独裁国家という印象から大きく衣替えをしたのが同じ時期ということになる。彼は台湾出身の本省人であり、それまでの蒋介石の国民党の大陸反攻の考えを捨て、両岸関係を維持するという方向に舵を切ることになる。それは中国共産党にとっては台湾統一の彼岸に対する拒否のメッセージであったので、中国はその後「台湾独立阻止」が大きな外交テーゼとなるという大変化があったわけで、両岸関係も新たな対立の時代になったわけである。

もちろんそれに至るには経緯はあるわけで、中国や日本の左翼の主張するような80年以上前の話もあるわけだけど、まずはここ36年間の歴史をきちんと振り返ることから日中関係を理解することを始めるのが適切なのではないかと最近感じているわけである。

今朝のところはここまでで。

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